俺と最後の踏伐・夜の終演ライブ。 04 





月森とレッスン1回という条件で全員が集合する前の練習場所を借りれた。プレイヤーをつないで音楽を鳴らす準備をしていると、『Knights』の鳴上が驚いてこっちを見ていた。踊れたの?という顔だけど失礼な、俺君らの振付原案もしたよね?っていうか、いや、いろいろ噛みすぎてこいつらと何したか妖しい。色々やりすぎて巻き込まれすぎて。

「あら。ゆらぎ先輩?」
「あー鳴上じゃん。集合はやくね?」
「暇だったから早く来ちゃったんだけど。先輩がいるなら早く来てよかったわ」
「月永から連絡いってねーか?」

携帯を開くとあらほんと。という声が聞こえる。そんなのも気にせず俺は、音をかける。見てるなら見てればー柔軟からだけどさ。おもんなかったらねててー。と声を出してから、鳴上の返事も待たずにタンゴ系の音楽が流れだす。この後の曲として本番用の曲を順番に指定してから、柔軟運動かねて体を動かし始める。濃厚な音楽に対して関節を解くように踊る。右ひざをかばうように踊り、ぐるりと回って音楽のリズムでボックス踏んだりチェックトゥープロムナード男役と女役とやってる間に一曲が終わる。そのままフェードするように俺の本番用が流れ出して、そのまま踊り続ける。音を聞きながら目を閉じて舞台を思い浮かべながら腕を振り、足を上げてサイリウムの波が見えてくる。スポットライトの光を思い浮かべて体中の熱が湧き上がってくる気がする。きっとここに彼らが来るのかな、とか思っているから、この間朔間に踊った以上の変更はかけれない。ただ高めていくだけにとどめないといけない。
三曲ほど踊ったところで拍手が聞こえてきて、ふと目を開くとあぁ鳴上がいたんだと思い出した。

「やっぱりすごいわね、先輩って。王様に話は聞いてたけれど」
「そ?だろー?」

そのせいでコマすらもなくなったのだけどな。カラカラ笑う、過去の傷が顔を出したが、そんな傷なんてもうない。いや、あるけど。カラ元気で笑うのももう慣れてきた。酷く笑っている姿は前の仲間が見たらひどく滑稽なのかもしないなと頭の隅で思う。

「アタシ、先輩の踊るのが好きよ?。」
「おん、告白?大丈夫大丈夫、来年になったら消えるんだよ。」

あーとかうだりながら、しゃがみ込むとはいどうぞ。と未開封の水が差しだされて礼を言いつつあとで新しいので返すな。と伝える。卒業したら俺は『Diana』を罷免されるんだよ。『Knights』で言うデュエル?ジャッジメント。そんなやつ。まぁぶっちゃけ俺の時代は去年終わってる。一年続けさせてくれるのはあいつらの優しさであり、俺の罪で罰だよな。と今さら頭を抱える。

「まーしゃーないね。俺がやらかしてるんだから、とりあえずさ鳴上一緒にやるか?苦手な曲とかお前なさそうだけどさー踊りやすくなる手がかりぐらいにはなってやるよ」
「あら、ほんと!?」

やるかーと動こうとする瞬間に校内放送が鳴る。青葉ゆらぎ、生徒会室まで。と淡々と告げられるがその声が天祥院だと気が付いて俺は顔を顰めた。踊ろうと思ったのになー、えーぶちっていいかな?なんて呟くがだめよ。って鳴上にたしなめられる。いや、年下に…いやつむぎくんに怒られてたりするから、もういいんだけどさ。天祥院の呼び出しだから余計に嫌だよね。胃が痛くなるじゃん。

「あーしかたねー。生徒会こえーよ。」
「ほら、頑張ってきてくださいよ!」

やだやだ怖い。鳴上ごめんな、月永が来たら謝っといてたぶん生徒会とドンパチしてくっけど。死んだら骨拾ってね。いやあよ、水だってまだ返してもらってないんだもの。と返されて、あーそうだったね。と返事をして頭の中に水を返す。を叩き込んでるとガーン!とかバーン!っていうような効果音と扉が開いた。

「見つけましたよ、青葉様」
「ひっ、生徒会!」
「大人しく連行されろ!奴隷四号」
「二号はあんずって聞いたけど、三号どこ行ったんだ姫宮!?」
「煩い黙れ!弓弦行くぞ!奴隷五号を連れて!」

俺四号じゃなかったのかよ!まって増えてる誰!?三号誰?とか思っている間に俺は伏見に担がれて生徒会室に強制連行された。待って!俺の杖!!!!!!!あれないと日常生活ぅううう!!!!後で伏見が取りに帰ってくれたんだけどな。男に俵担ぎされんの趣味じゃないんだよ。っていうかそんな趣味のやついるのか?いや居ないだろ!




[*前] | Back | [次#]




×