042
あれやこれやと話が進んで30分。他の子の試験をみるよりも、自分について考えるのが必死だったうちにみんなの試験が終わってしまった。
リカバリーガールから、指示を受けて私の試験のために、移動を開始する。私の移動とすれ違うクラスメイトが応援と、どんまいと背中を叩いていくのがもうなんか悲しくなってきた。指示先に到着すると、死にそうな顔をするなと相澤にしかめ面されながらも、バスに乗れと促される。お前、励ますかけなすかどっちかにしろよ。と言いたいがそんな言う気分でもない。
静かにエンジンがかかるのを感じながら、気持はドナドナである。売られはしない、捌かれてる気分。オールマイトと相澤にな。なんか、あー空が青いとか思いつつ頭の中はどうしようの単語ばかりが出てきて、クラスはみんなワイワイしながら見てるんだろうな。とか思いつつ顔を覆う。
「まだ、始まらないんだから肩の力を力を抜くといい沖方少女」場の空気を沸かせようとオールマイトが明るい声を出すのを、形式的な返事をしつつそんな明るくする元気なんてないんだよ。馬鹿っ。とか心の中で愚痴りながらコンディションを確認する。頼れるものは自分だけ。相澤もオールマイトも敵だ。そうだ。自分しか頼れないんだ。だから、落ち着いて自分と会話をする。
今の調子ってどうなんだろう?どれぐらい飛ばせるのだろうか。不安になりながらも今までの調子がいいときの最高重量がどこまで飛んだか思い出す。オールマイトか、家の車か。ならばおよそ、10メートル前後。これで、相澤と戦闘をするのは二回目で…目潰ししたの、まだ根に持ってるのかななんて一瞬考えてしまう。考えても仕方がないので適当なところに座り込むと、バスが進みだす。
事前準備として、相澤用に対策を取り始める。
妙な緊張感を纏ったバスの中でこっそり掌の上に砂を置いて、ポケットや隠しポケットに詰め込む。バレたらたぶん、怒られる。仕方ないじゃん。あると便利なんだもん。コスチュームに、つけたそうかとも思うが、砂は重たいしなぁ。ここの答えってなんだろうね。やだやだ。誰かと動きたかったのになぁ。相澤の馬鹿。泣きそう。
捕縛されれば即アウトな私の期末試験。が、もうすぐ始まる。


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