030 そんなこんなで、職場体験当日。新幹線に乗るために、駅に集合し点呼をとって各個体験先に移動となっていた。たぶん、相澤の合理的主義のためにそうなっているのだろう。集合場所に一番最初にたどり着いた。みたいで、見知った顔はどこにもいない。 しゃーない。ぽちぽちと携帯をさわりながら、誰か来ないかなと時間をつぶしながら待っていると、向こうからほんの少し暗い顔をした飯田がこっちにきた。 「おはよう、飯田。」 「おはよう。」 「体験。どこにしたの?」 「俺は、保須のところ」 保須。ってどこだろうとか想いながら、あれやそれやと他愛ない話をしながら、ほかの人がくるのをまった。どうなるんだろうなぁとか思いつつ、体術何とかしたいなとも思いつつ、なんとかなるだろう。とか、行き当たりばったり。を狙いつつ、誰か一緒の方向の人がいるといいんだけれど。いや、方向音痴じゃないよ。うん。違うよ。 色々話をしてると、だんだん人が集まってきてむしろここが集合地点かな、っていう。集合時間のちょっと前に全員が集まってる様子を見ると、やっぱり君たち真面目だよね。 時間ぴったりに相澤が来て、点呼を取る。芦戸ちゃんが気楽にはーい!って返事をしてるのを嗜められて、コスチューム着るなよとかいう話をして一路解散。そういえばさぁ、スカウトの中に雄英も入ってたんだけれど、どういうことしてたんだろうねと今更思う。 皆と挨拶して、一人東京方面の新幹線に向かう。見上げると誘導路に東京方面って書いてるのでそちらに通わず進む。 通路を二つ曲がって、ふって視線を下げると、爆豪が歩いていた。 「爆豪?」 「あ?」 睨まないでください。お願いだから。どっちにいくの?と問いかければ、ほっとけチビと吐き捨てられる。うっせーなチビで!!お前よりも年上なんだよぉ!!頭を抱えたくなったのだが、道端で抱えることもできずに、爆豪はすたすたと東京方面に消えて行った。まって!君東京なら一緒に行こう!いいじゃん!こういう交流は必要なんだよ!頼むからおいていかないで!方向音痴なの!置いてかないで爆豪!!くん!! ←/back/→ ×
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