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貰ったオファー一覧に一枚あたり46件の事務所。もうちょっとキリがいい方がいいと思うんだけれど、なんて思いながらぺらぺらめくっていくとうちの家の事務所も入っていた。お父さん?そんなこと言ってなかったから、もしかしたらサイドキックの人のほうがこっそりいれてたのかもしれない。…まぁ、うちはいつでも口きいてくれると思うからいいんだけれど。どうしようかなぁ。災害救助とかも大丈夫だけれど、機材移動とか…体術でもいいんだよなぁ。さて、どうしよう。ヒーロースーツの新調も申請出したなぁ。間に合うといいなぁ。

「百はどこいくの?」
「私ですか?スネークヒーローのところですわ」
「決まってるのね。んーどうしよう。」

紙をぼーっと眺めていると、俺のとこもはいってるじゃねえかと轟が紙を一枚抜いていった。ほら、と指差した先はエンデヴァーヒーロー事務所。ふむ。どうしようかなぁ。戦いをやってみるのもいいのかもしれないし、救助向きでもあるとおもうんだ。”個性”がね、私じゃないよ。でもなぁ、自分の身が一番かわいいと思う部分はあるので、どうも救助っていう柄じゃないんだよなぁ。んーきめきらねぇ。転がして決めてやろうか、なんて思ったりもしたが、そんな簡単に決めていいものか。いや、いい。雄英の志望動機がいいかげんだったんだもんな。じゃ、いっか。そうしよ。いいんだよ、どうせ体験。だし、大人の勝手で変えられるなら子供の勝手な理由だって使ったっていいじゃん。いいだろ!ほっとけ。がりがり志望書を書いて、相澤に出しに行くかと席を立つ。緑谷が帰るタイミングだったらしく、目があった。

「決まったの?沖方さん」
「まぁね。東京のほうの事務所。職員室いくから途中までいかない?」
「あぁ、うん。行こう!」

相澤に出したら私も帰ろうと鞄を掴んで、教室を出ようと足を向ける。緑屋がドアを開けた瞬間に大きな音が聞こえて、視界に入った瞬間に驚いて”個性”をつかってしまった。その主はオールマイトだったらしく、フロアの見える限り限界である階段においてしまった。一瞬オールマイトは驚いていたが、なんかちょっと違和感。軽いっていうか、変。見た感じオールマイトの重量あるから結構近くにしか置けないんだけどなぁ。

「すいません。オールマイト驚いて、遠くに置いてしまいました」
「全然かまわないよ、沖方少女も能力は成長しているようだね、結構!そして緑谷少年に用があってね」
「…はぁ…私職員室行くから、緑谷。じゃあね?」

思ったより、軽い。オールマイトの重量って結構ありそうな感じなのに、なんか、飯田とかとおんなじぐらいの重さのような気がした。…気のせいかな。ま、いいや。とりあえず相澤に書類だしにいこう。行く先は。あ、次のページ?はい。じゃあそういうこと。


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