002
青い空を見ながら、突っ立って。どうしてこうなってるんだろう?と一人首をかしげる。
そんなこんなで退院して帰宅した健康体の私は、病院から退院して帰宅してすぐに携帯を開くと、フォルダ満タンなぐらいメールが入っていた。件の事件が起きた日に集中していて、ある日を境にぱったりメールが来なかったが、私が病院で目を覚ました日からまた、少しずつメールが入っていたので、ポチポチと返事を始める。無事でよかったとかまた遊ぼう!と言ってくれる一月だけのクラスメイトたち。いい子だよね!二年とか、いろいろあるはずなのにさ。
二年のあれやそれを考えると、今彼らはあと半月で高校三年になるところだろうか。と思い馳せて、そういえば!!と自分の立ち位置はどうなってるのか?と慌てる。

「おかあさん!!!わたし、高校どうなってるの!?」
「あ。」

皿を洗っていた母は、声を出してガシャンと音を立てて食器を床に落とした。
しまった!忘れてた!みたいな顔しないで!お皿も割らないで!私、このままだと最終学歴中卒になる!と慌てていたら、あれよあれよと話が進んで、特別試験を受けて合格した特例措置としてら四月から一年生に編入できるらしい。そうだよ。試験だよ。それでグラウンドに来てるんだよ。
思い出して一人頭を抱える。入試も体力テストも成績は芳しくない。戦闘訓練だけ得意だったのも、懐かしい過去とも言える二年前。試験が実技じゃなかったら、落ちてるかもしれない。グラウンドで筆記試験とかないだろうけれど、うわ、むり。とか溢しながらうつ向いていると誰かの足が見えた。
おそるおそる顔を上げると、私にとって二週間前に会った先生がそこにいた。ぎろりと言わんような目でこっち見てるからちょっと怖い。

「沖方か?」
「げ、相澤先生…」

なんか老けたねー。とか思ったけど、そりゃ二年だもんな。逆浦島太郎の私にとって、ちょっとした未来旅行に近い。先生目付ききつくなってない?やべぇ、絞められる。とか思いつつ、とりあえず社交辞令的な挨拶を繰り広げよう。

「お久しぶりです。」
「試験について説明する。」

俺に勝て。
待って!!もっと砕いて説明してよ!合理的を追及しすぎてワケわかんないから!
声をあげた瞬間に眼前を拳が通り抜けた。これやばいやつ?とか頭を駆け抜けた瞬間に次の攻撃が迫ってきてた。二週間前の戦闘訓練を思い出しながら、私は反撃体制を整える。先生の”個性”を私は知ってるし、逆もしかり知られてる。”個性”を使われると太刀打ちできないので、瞬きした瞬間に私の”個性”を吹っ掛けるだけだ。

「目潰し!」

屈んだ隙に、手に砂を掴み先生目掛けて投げつける。卑怯?相澤風に言うなら、合理的と呼んでくれ。そういう”個性”を持ちながら、グラウンドに呼んだ先生が悪いんだ。そうだ、体育館ならもっと別のやり方があったけど、こっちのがまだ親切だよ!体育館なら金蹴りだったからね!



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