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個人の持ちゆる最大限の必ず無力化するそれで、合格をもぎ取って、私は!二度目の一年生です!
留年じゃないよ!!断じて何度も言うが留年じゃないよ!!ぶっちゃけ一年のゴールデンウィーク後に巻き込まれたので、ぶっちゃけよ!まともになんもならってないのよね!ほぼほぼさらっピンの私は、どうやらA組になったようです。前例にない、二年越しの一年生二回目だよ!こういうとちょっとだけ泣きそうになるね、可笑しいな。
看板のクラス分けを見てから、教室に入る。すでに数人いるが、気にすることなく黒板の指示にかいてあった。教室の後ろに一個だけ飛び出た席がどうやら私の席らしい。…なんか、見覚えのある文字なんだけれど。突っ込んだら負けなような気がして、書かれてる通りに腰かけて手を組んでそこに頭を乗せる。
一学年40人でクラスが2つ。本来なら一クラス20、4の倍数であり5の倍数であるその数字は切りがいい。なのに、一つ飛び出てる席。いわずもがな、私がイレギュラーなんだけれども、どうするよ。どうも出来ないよ。主席番号順でほかの席だけ振られてるのに、私だけ中途半端に一個突出した席だなんて。回りを伺うのが怖いし、なんか心なしか視線がいたい。やだやだ。逆浦島太郎状態なので自己紹介で年齢なんて言われたら、一瞬でお通夜状態になりかねない。泣きそう。いや、逆に考えろ、全員が私を知らないのならば騙せる。いや、これでいい。むしろこれなら誰もお通夜状態にならなくていい。そうだ、悪いのはあの敵だ。私はなにも悪くない。そうだ。

「あのー?」
「そう、私ならできる。更に向こう側に…そしたら、アラウンド20になっちゃうよ。どうしよう。まわりみんな、16ぐらいなのに、やばい。うける。」
「もしもし??」

とんとんと、肩を叩かれハッと顔を上げると、いつの間にか人が集まっていたらしく、視線が注がれている。

「さっきから、なにかありま「大丈夫か君?具合が悪いなら保健室に行くか?」」

女の子の話を割るように眼鏡の男の子が私に話しかけてくる。いや、具合も悪くない、強いて言うなら回りの若さが怖い。個人二週間離れてたの気分だが、世間は2年の間があるのだから。平気だよ、問題ないよ。と流しながら男の子を追い払う。実感のない2年の差は怖い。ひぇええ。ってなる。

「大丈夫ですの?」
「え、あ。まぁ。」

顔めっちゃひきつってる感じがするけれど、なんとか返事をして彼女と会話をする。不審者がられないことが大事と心で決めて私沖方佳英。と名乗る。彼女はにっこり笑ってよろしくお願いしますわ。と手を出してくる。ので遠慮なく握手にこたえる。…あぁ、なんかこれ三週間ぐらい前にやった気分んん!なんか最近見たデジャビュ感によろけながらも、彼女は笑っていた。

「私、八百万百といいますの」
「よろしく。」

教室を一通りぐるっと見ると、それなりに人が集まってきだして、さっきのメガネ男子はまた誰かに突っかかってるようだった。八百万ちゃん、って話しかけると百でかまいません。と言うから遠慮なく百。と呼ばしてもらう。どんな授業になるのかしら?と言ってるので、話していると近くの子とも話をしだして、にぎやかだなー。三週間ぶりの入学式だなぁ。とか思いつつ当時クラスメイトに話を聞いてもいいかも?と情報について考える。そりゃあ先生によっていろいろ違うかもしれないけれど、まぁ、聞いてて損はないかな。と百たちと会話をしながら、ぼんやり思っていると、寝袋片手に相澤が教室の入り口に現れた。…もしかして、アイツが担任だったからこの間の編入試験やらされたとか?いや、まさかがありえそだよねぇ。

「相澤…」
「ハイ、静かになるまで8秒かかりました。時間は有限、君たちは合理性に欠くね。」

自己紹介をしながら相澤は、寝袋から体操服を出して、グラウンドに出ろと言う。…あいつ、何しでかすんだ?と思いながら、入学式とかいろいろあるんじゃないの?な?とか思うが、もう、いいや雄英だし。突っ込む気力も失せて、さっさと着替えてグラウンド行こう。あれに突っかかるだけ時間の無駄なのは、最初の一か月で実感済みだ。近くの百を促しながら、女子更衣室まで向かう。後ろから、更衣室どこだっけ?と言う声も聞こえたので、案内役位してやろう。と先頭を歩く。


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