023

今日の進行などについて話ながら歩いていると、途中で轟が、忘れ物をしたらしく別行動を取る。私は私で水を追加で買いに行こうとして自販機を目指している。そんな道中に相澤と出会った。お疲れ昼からも頑張れよ、とだけ言われて適当に返事をしながら水を買う。何か言いたげだったような気もするが、合理主義者が言わないのなら、言う必要はないのだろう。と私は勝手に判断して、じゃあせんせーも昼からプレゼント・マイクと実況頑張ってーなんて他人事のように会話をして、すたこらさっさと控室に入ると百たちがチアリーダーの姿で立っていた。

「…なにこれ?」
「相澤先生の号令でレクリエーションの一環でこれを着ろと。」
「…全員?」
「女子全員だよ!」
「野郎の生足なんざ、いらないけどさ。」

…いま、さっき相澤と会ってきたけれど。なんも言ってなかったんだが。んー。んんん?なんで?さっき言いかけてたのは、それか?気のせいか?なんか、絶対に違う気がするのも否めないんだけれどなぁ。渋々衣装を受け取って、仕方がないので着るのはいいが、なんか心許ない。っていうか、短くね?とか思いつつ着替えを手早く済ませる。配置は自分には置けないが、自分のからだの上にはおけるので、早着替えなどには役に立つ。役に立ちすぎて、自分のアイデンティティーってなんだっけって気分になってきた。
なんとも言えない気分でグラウンドまで出ようとする最中に百の怒声「計りましたわねー!」が聞こえて、なんとなく事情を察する。やっぱり着る必要なかったじゃんね。放送のスピーカーから、なにやってんだあいつら。なんて呆れ果ててる相澤の声がする。

「あ、佳英ちゃん!」
「やぁやぁ。だいたい察した。ドンマイ百。」

視界に入った峰田と上鳴の下半身を埋め込んで、あとは一撃食らわせてやる。ほら。クラスの女子を泣かせる奴はとっちめるだけだ。

「上鳴、峰田。覚悟は出来てるんだろうな」

動けない二人のもとに立って、拳を振り上げる。構えをとると、白かーって峰田がこぼす。下半身埋まってる上鳴がバカお前!!と慌てる様子に、白が下着だと理解する。テレビが見えないように土で壁を作り。

「死に曝せ!」

視界に写る凶器を食らわせて最後に生き埋めに近いように顔だけをだす。すっきりしないので、召集だけすませたらどうするか一旦ちょっと考えよう梅雨ちゃんに彼らの任せた。招集がかけられて、中央にトップの10何人が集められる。

「組み合わせのくじ引きしちゃうわよ。組が決まったらレクリエーションを挟んで開始になります」

レクに関して進出者17人は参加するもしないも、個人の判断に任せるわ、息抜きしたい人も温存したい人もいるだろうしね。んじゃ、一位チームから順に引いてね。って言ってるので、私は一番最後だろうなぁ、と思いつつ、あくびを一つ。レクリエーションねぇ、麗日ちゃんどうする?とか言いながらあれやこれやと話していると、尾白とB組の奴が棄権した。詳しい事情をききながしていたので、何だったんだ?とも思いながら、補充が入ってくじ引きをしなおす。
ここ最近籤運というものがよくないので、心中お察し。爆豪とかならやりやすいんだけれどなぁ。と思いつつ、くじを引く。…ラスト一個を引くんだから意味もないんだけれど、空いてる場所だから。
じゃあ、沖方はここね、と引くよりも早くにミッドナイトが名前を入れた。うん、やっぱ引く必要ないよね。ため息混じりに先をちらりとうかがい見れば、真ん中からちょっと延びて、途中で混じっている。…ミッドナイト、轟瀬呂の勝者が私と戦闘することになっている。へー。

「佳英さん、必ず戦いましょうね」
「負けないよ。大丈夫。」
「私も、負けないよ」
「じゃ、頑張って各個爆豪轟緑谷常闇の強そうなやつを一人づつ倒してA組女子でトップを埋めるためにがんばろー」

おー。でも、その前にレクリエーションだね。
なにやるんだろう。とか色々話ながら、あれやこれやと想像するのだった。



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