022

百たちとお昼を食べて、水を買って購買に向かう最中に轟と出会う。
買い物か?そう水買いに来たんだけどさちょっと話しない?。
軽いナンパのような誘いかただったが、返答はどうしたんだ?だったので、どうやら彼は受けてくれるらしい。ここじゃちょっとあれだし、体育館の方でも行こうか。と誘い出したのは三分前。轟と体育館の段差に腰掛けながら話をする。という何故か微妙に珍しそうな体験をしてます。轟との交流って、オールマイトのヒーロー基礎学の戦闘訓練以後、あまり接点がなかったのを思い出した。

「なにかあったのか?」
「あーえっとね。」

さっきと言っていいか怪しい時間だけど。荷物取りに行こうとしたとき、轟と緑谷の会話を聞いちゃってね。盗み聞きになってしまって、聞きっぱなしも悪いし。轟も聞かれたくなかったから誰もいない場所を狙ったんだろうし。
一方的に知るのも悪いから、私の内緒の話。聞いてくれないかな。まぁ、君が聞いてくれなくても、私はここで独り言を吐き出すだけだよ。それが、私の自己満足だからね。

一通り話始めるために、結論から話をしよう。私は世論上君たちの二つ上の学年に籍を置く生徒でした。
そんな言葉は予想外だったのか、轟は驚いてこちらを見た。そりゃあ目もひんむくだろうね。なんでお前いるの?!みたいなね。私だって起きたら二年ぐらい過ぎてるだよ。エイプリルフールなんて一月前だって思ったもん。この言葉にくいついたのか、彼の予想を軽く飛び越えているせいか、立ち去る素振りもないので、そのまま私の知り得る限りの情報をこんこんと説明する。編入学試験の内容を話して、ようやく21人という例外を理解したようだ。一般37人合格者。というのは例年と比べたら歪になって、お前も色々あるんだな。とお情けを頂く。

「なぁ、沖方。」
「言ったじゃん。一方的に盗み聞きしたみたいなの、嫌だし。」

抱えてるの嫌だし面倒だし、それでいいんだよ。自己満足。そう。自己満足。それだけだよ。我が儘。そんなの。一方的な情報なんざ持ちたく無いんだよなー。重いししんどいし。気を使う。そんな手間も気力もかけたくないのだ。だるいし。

「こんな年上らしくもない私だけどさ、とりあえず一年間はよろしくしやってよ。…」

起きたら二年って、そんな実感今でも沸いてないんだけどさ。起きて帰ったら二年過ぎてるー。的な。そんなのだから年上扱いしないでくれると嬉しいなぁ。

「沖方、俺が聞く気でなかったらどうしたんだ?」
「おんなじように、話すだけー。」

そしたらただの独り言よ。言ったじゃん自己満足、ただの勝手な独り言になるだけ。そろそろ昼も終わるような時間だし、ミッドナイトから、召集受けてるし。飯田は飯田で召集かけそうだし、そろそろ行かない?そう問いかけてやると轟はすこし迷ってから席を立ち上がる。

「停止の個性で止まってた。だなんて。」
「あぁ、そうだ轟。なに迷ってるかなんて知らないけど、きっと、あんたはいいヒーローになれるよ。誰でもない君ならね。昼もぶち当たったらよろしくね」

ヘラヘラ笑っていたら携帯で百から呼ばれたので、ほらそろそろ時間だし戻ろう。ありがとうね轟聞いてくれて。呼び出された場所…といっても控え室なんだけどさ。に向かうのだった。


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