016

指導室ともかいてるが、部屋の中を覗くと、接待用ともいえるソファーが向い合せに会ってその間にテーブルが一つ。小さな部屋だった。なにすんだよ、と一瞬身構えていると、相澤は中に入って左手側に腰を下ろした。思ったよりふかふかしてそうとか思っていると、相澤に座れと言われる。指差された所に座ると、何とも言えない緊張感が走る。相澤とこうして面と向かってなんかするなんて、なにだよ。…なにがあるんだよ。と思いつつ早く終われとも思う、ごはんたべてないんだよ。わるいな!食堂なんだよいつも!

「この間はすまなかった。」
「…はい?」
「俺の近くにいながらも重傷だったと聞いている」
「あーあれですか。いや、別に。」

USJの時の、やつだ。相澤が近くにいたのは覚えてるが正直無我夢中だったので、埋めるほうにしか意識がいってないので、相澤なんて覚えてない。なんか、むしろ相澤捕縛!とか言った気がするけれど。それもぶっちゃけ覚えてない。うん、覚えてないんだ!そうだよ!覚えてないんだよ!

「生徒であるお前に傷を付けた」
「まーいいんじゃないんです?」

私は、自分で必死だったんで。オールマイトには結果救ったとは言われてますけれど、そんなこと思ってもないですし。うちの親は、たぶんあんたが無事だったら。とか言ってたし、いいそうだし。最悪生きてたら丸儲けとかいいそうだし。母親に限ってはヒーローじゃなかったら、あんたは引っ越し屋になれるとかいうぐらいだし。ほんとにヒーローだったのか母は。それはおいといて、怪我もしっかり治ってるし。そんなに気にすることないと思います。私は私を守るために動いてただけですし、先生がいてもいなくても私はあのやり方で埋めたりなんやりしてたと思うんで。

「話、それだけですか?」
「…おまえら、ホント親子だな。サイコキノと。」
「…は?…」

よくよく話を聞くと、私が家に帰る直前まで我が家に来て挨拶してったらしい。いや、まって、なんで相澤、うちの家きてんの!?家庭訪問って、もっと前だよ!?って、言いたいのはこれじゃない。内容的には、うちに来て御嬢さん傷つけましたすいませんでした。って校長とオールマイトと相澤でやってたらしい、お母さんの泣いてたのはこれか。と今更納得するのだけれど、お父さんの反応は、私と一緒だったんだって。生きてるからいい。これだけ。…私よりあっさりしてない?お父さん?まって、娘、大事な一人の。…え?二年ぶりに会ったとき泣いてたのに、めっちゃドライじゃない?まって、ちょっと先生。もちょっと詳しく教えて!?とか思ったけれど、昼飯食いそびれるぞ。いってこいって無理やり追い出されたのだった。解せぬし、昼飯食べそこなった。それも解せぬ。相澤め。

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