20171108相澤先生お誕生日おめでとう。
仕事が終わってご飯を済ませてお風呂に入って明日の準備をしていると、玄関からチャイムの音が鳴った。パタパタと駆け寄って気配を探る。女の一人暮らしだから。と口酸っぱく出るなよ。と言われているが今日は別だ。
俺だ。という声が聞こえてから、相手が判別できたのを確認して走る。がちゃん。と鍵を外してから家を飛び出して、玄関に立っていた人物めがけて飛び込む。男性特有のしっかりした体躯なので勢いよく飛び込んでもその人はびくりともせず、抱きしめてくれる。

「相澤!おつかれ!」
「どうした?」
「ううん、なんでもない。おかえり、今日も無事だったんだね。」

寒いから中に入れろ。と言われて手を引いて家に入る。冷蔵庫に入れていた仕上げ手前で止めていたご飯たちを完成させて前に出すと、うまそ。と彼から声が出た。彼の正面に腰を据えて、召し上がれというと、彼は箸を手に取ってご飯を食べだした。疲れてるのかな、目の下のクマが濃いなとか思っていると、視線がかち合って私は嬉しくなって目を細めた。

「なんだ?様子が変だぞ?」
「ううん、なんでもないよ。ご飯食べたらおやつもあるんだー。それが楽しみでね」
適当に返事しつつ彼の食事が終わるのを待つ。この後にどんな反応をしてくれるのだろうかとちょっと期待していたりする。うん、いろいろおかしいけどそんなの世の中にもたくさんあるし、そのうちの一つだと思うといいよね。この後の予想をすると心の中は暖かくなるような気がする。

「ね。今日のケーキめっちゃおいしそうなんだよー。ちょっとでいいの?じゃあ先に一口食べてよ」

なんだよ、お前。とぎろりと睨まれながらも冷蔵庫から一ピース取り出して机の上に置く。
「おたんじょうびおめでとうしょうたくん。」というかわいい文字のチョコレートプレートを添えてやると、驚いた顔をしてケーキと私の顔を交互に指差した。ちょっと予想外の顔してくれて面白かった。

「オールマイトから”今日は相澤君の誕生日だよ!!”って教えてくれたからね。」
「あんまり似てねえな」

そりゃあ緑谷じゃないんだもん。できっこないよ。と笑ってやると、物まねへたくそだな。と笑われる。いいじゃん、似てなくても。口をとんがらせると両頬っぺたをがっちり抑え込まれる。

「もふひゃめひぇっひぇば!」

リアクションが面白かったのか相澤が腹を抱えて笑う。いけずと言い返すと悪かったと頭を撫でる。むくれながらも返事をすると、相澤がケーキを一口食べた。くやしいからこれ以上あげない。と言ってやると、お前の喜ぶ顔が見たい。なんていわれたので、ケーキは明日食べます!プレゼントも差し上げません!と申告すると、おいそれはやめろとマジな顔で言われた。のでとりあぜうはあげることにしよう。おめでとう相澤。


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