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三日前、仕事を終えたバルトルがカグラのもとに来ていた。
「で、本当に養子にしたってのか!?」
バルトルは眼を見開き、そうカグラに投げかけた。
「ああ、何を今更驚いている。元々君が私に一人にしたらいいと言ったんだろうが」
カグラはやれやれとため息をはいた。
「だからって一度会っただけの男娼を嫁にとるこたねえだろう。第一ユラ、お前はそいつが本当に好きなのか?」
バルトルの言うことは的を得ていた。カグラは確かにジルを気に入っている、だがそれが愛しているのかどうなのかと聞かれると、親愛以上かどうかはカグラ自身わからなかった。
「好きだよ。それにジル君は嫁兼私の息子なんだ」
そうカグラは返し、それを聞いたバルトルは何とも言えないような眼を向けた。
「おい、そのジルってのはいったいいくつなんだよ」
バルトルは訝しげにカグラに問いた。
そんなバルトルを見てカグラは苦笑しながら「まだまだ可愛い十五歳だよ」と飄々と返すのだった。
「・・・十五っ。息子って言うには歳が近すぎるが、まだまだガキじゃねえかよ。てかお前みたいな人としてやばい奴が親なんて、危険過ぎるだろうが!!」
「ジゼルさん一部聞き捨てならないヶ所があるんだけど、私のこといったい何だと思ってるんですか」
絶対零度の微笑みを浮かべながら、カグラは眉をぴくぴくさせてバルトルを見ていた。
「んなことどうだっていいんだよ。とりあえず週末お前のところでそのガキに合わせて貰うからな」
そう言ったバルトルに対して、「ふふふ、ジル君の可愛いさにめろめろにならないでくださいね。ジル君は私のなんで」カグラは楽しげに返したのだった。
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