「第二の道、餓鬼道は技を奪い取る能力(スキル)」
獄寺からのボムの攻撃を避けたと思えば次はボコボコと床から幻覚の火柱が立った。
「ど、どうすればっ…!」
「オレは手ェ出せねーんだ。お前らで早くなんとかしやがれ」
「うちも入ってる――!!」
「無茶いうなよ!!ひいいいっ!!」
獄寺のボムから逃げながらもツナが声を上げる。
「オレの教え子なら越えられるはずだぞ。おまえの兄貴分ディーノも越えてきた道だぞ。」
「沢田君、上!!」
雪詠の声にツナは上を見上げる。
そこにはすぐそこに迫ったボム。
ボムの爆風に飛ばされたツナに雪詠が駆け寄る。大丈夫!?と声を上げる雪詠にツナは重々しい身体を起き上がらせた。
「さあ、おしゃべりはこれぐらいにして終わりにしましょう。」
骸は左目から死ぬ気の炎を灯しながらも三又槍を手に走り出した。
「ひぃぃぃ!!きたぁぁ!!」
悲鳴を上げるツナ。しかし、骸の身体はガクリと傾き、倒れる。
「なあに、よくあることです。
いくら乗っ取って全身を支配したといっても肉体が壊れてしまっていては動きませんからねぇ」
それはつまり、動かない体を無理矢理に動かしているということ。
「千種はもう少し…いけそうですね」
その体からは傷口から血が溢れ出していた。
「ムリヤリ起こしたりしたら…ケガが…!!」
「平気ですよ」
ツナの言葉に骸は笑ってみせた。
「僕は痛みを感じませんからね」
「な…!何言ってんの!?仲間の身体なんだろ!!?」
「違いますよ。憑依したら僕の体です。壊れようが息絶えようが僕の勝手だ。」
骸の言葉にツナは顔を青くし、今まで体を支えていた雪詠の腕から体を起こした。
「そんなの…」
「他人の心配をしているヒマですか?」
後ろから歩み寄ってくるのは傷口から血を流した獄寺とビアンキ。
「たのむ!!やめてくれ!!このままじゃ死んじゃうよ!!」
ツナの叫びに骸は笑みを深めた。
「君はガールフレンドのために自分にナイフを突き立てようとしたんでしたね
――…それでいきましょう。
君はその甘さゆえ、僕に乗っ取られる。」
骸の言葉に雪詠がそんなと声を上げる。
「沢田君にそんなこと…!!」
「いいのですか?」
「!!」
雪詠の目の前にいるのは獄寺とビアンキ。
「君の仲間をこれ以上傷つけれられたくなければ逃げずに大人しく契約してください。」
「そ…そんな…」
ゆっくりと近付いて来る骸にツナは慌ててリボーンを見た。
「リボーンどうしよう!」
「オレは何もしてやれねーぞ」
「そんなぁ」
顔を真っ青にしたツナが叫ぶ。
「いつも助けてくれるじゃないか!!見捨てないでよリボーン!!」
ツナの言葉にリボーンは間髪を容れずツナを殴った。
「いいか、ツナ。」
リボーンはツナの襟元を力強く引き寄せた。
「おまえは誰よりボンゴレ10代目なんだ。」
「!?」
「おまえが気持ちを吐き出せば、それがボンゴレの答えだ。」
リボーンの言葉にツナは呟く。
自分の気持ち、それはなんだろう、と。
泣き出したい、逃げ出したい、だけどそうしたらみんなは…?
オレはなにがしたいのだろうか。
「彼の気持ちは"逃げ出したい"ですよ。それとも"仲間のために逃げられない"……かな?」
 
―――違う
ツナの本当の気持ち、それは"骸に勝ちたい"、"こんなひどい奴に負けたくない"。
仲間を、自分の大切な人達を、守りたい――
「こいつにだけは勝ちたいんだ!!」
球体になったレオンが光を放ちながら宙に浮いた。
 
 
教え子達
(口に出して気付くもの)

 
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