リボーンに蹴り上げられながらも攻撃したツナのパンチは見事バーズに当たった。 バーズは頬を押さえながらも画面へ向かって声を上げる。 「こうなればみんな殺してしまえ!!」 「おっさんちょっと面貸せ」 笑顔でそう言った雪詠がバーズの足をぐりぐりと踏みつけた。 シャマルは京子と京子と共に帰宅していた黒川花に色目を使いながらも帰ることをすすめていた。 「オレの戦いっぷりを見たら惚れて眠れなくなっちまうぜ」 そんなシャマルに身の危険を感じてか花が京子の手を引き慌ててその場を去る。 「さーやろーか?にしてもつくづくおまえ、乙女達には刺激が強すぎる野郎だな。」 シャマルは後ろを振り返り、興奮しきった双子の片割れに向かって眉を潜めた。 「ああ、一応医者としていっとくがおまえは振動症候群(シンドローム)にかかっちまった。」 そういったシャマルの隣を小さな一匹の蚊が姿を現す。 「あまり激しく動かん方がいいぞ…つっても、もう遅かったか。」 背を完全に向けきったシャマルは一歩、足を踏み出した。 「発病だ」 ハルの前に立ったイーピンはランボにハルを安全なところへ移動させるよう支持すると双子の片割れを睨み付けた。 イーピンは双子の片割れの攻撃を避け、電柱を床代わりに蹴り上げる。 「白(ハク)、撥(ハッ)、中(チュン)」 足を首に掛け、と体を反らしたイーピンは叫んだ。 「高三元(ハイサンゲン)!!」 イーピンの拳法技に伸びきってしまった双子のもう片割れに男が目を白黒させる。 「奴らは双子の悪魔と呼ばれた連続殺人鬼だぞ。こんなことが…」 「黙れ」 そそくさと背を向け逃げ出そうとしたバーズの足を再び雪詠が踏みつける。それを見た獄寺がバーズの腹を足で蹴り上げた。 「げ…一発でのしちまった」 「命令する本人はたいしたことねーのな…」 呆れて床に転がったバーズを見つめる山本と獄寺を尻目にツナが声を上げる。 「こんな刺客聞いてないぞ――!!」 「こいつらは骸と一緒に脱獄した連中だな」 「ちょっとまてよ。骸達三人組以外にも脱獄囚いたの――!?」 リボーンは3枚の写真を取り出し説明をする。ディーノから受け取った情報によると骸のもとにきていたとは思わなかったと言う。 「も、もういないよね?」 顔を青くして尋ねる雪詠にビアンキがいるわと答えた。 「隠れてないででてきたら?そこにいるのはわかってるのよ」 ビアンキの言葉にか細い声の主が木の陰から顔を出した。 「フゥ太!」 そこにいたのはランキングブックを抱えたフゥ太だった。 「フゥ太おいで!そんなとこにいたら危ないよ?」 「さあ一緒に帰ろーぜ!」 そう言ってフゥ太に駆け寄るツナと雪詠にこないで、とフゥ太は呟いた。 「僕……もうみんなのところには戻れない。僕…骸さんについていく…」 それは、あまりにも衝撃的な言葉だった。 「さよなら…」 そう言い残し走り出すフゥ太にツナがまてよと声を上げる。 「フゥ太!」 「おいまてって!」 そう言ってフゥ太を慌てて追いかける雪詠に遅れてツナが走り出す。 「フゥ太!」 肩で息をしながらも雪詠はフゥ太の手を取った。 「どうしたの?なにかされたの?」 「雪詠、姉…」 フゥ太の手はまるで何かを訴えるように小刻みで震えていた。噛み締めていたフゥ太の唇がゆっくりと開く。 「…雪詠姉…悠兄を、悠姉を助けてあげて…!」 「悠…?あ、ってフゥ太!?」 スルリと雪詠の手から抜けだしたフゥ太が再び走り出す。 「…フゥ太」 初めてだった。フゥ太の、涙を見るのは。 接触 (謎は深まるばかり) ←|→ |