男は後ろの壁にパソコンの画面を映したそこには、見覚えのある2人の少女、ハルと京子が映されていた。
「なんで京子ちゃんとハルが映ってんの――!!?」
ツナの言葉に男はまーまーとまるで皆を落ち着かせるかのように言う。
「私の名はバーズ。その名の通り鳥を飼うのも趣味でしてねぇ」
壁に映し出されている映像は鳥達に埋め込まれた小型カメラだと説明したバーズの後ろから音声までもが聞こえてくる。
そんな2人の後ろに影がゆらりと映し出された。そこにいたのは顔のよく似た、可笑しな動きをする男等がいた。その男等は凶悪な連続殺人犯だと言う。
「見てください。もうあなた達のお友達で遊びたくしょうがないって様子だ……」
「2人になにする気!?」
「ん――――?何もしやしませんよ。あなた達が私に従ってくれさえすれば……ね」
「ふざけんな!!」
雪詠の隣に立っていた獄寺はバーズの胸倉を掴んだ。
「あいつらはカンケーねーだろが!!」
「おっと私には触れない方がいい。ほら、お友達が………」
バーズの言葉に皆の目が映像へと移る。
「バラされちゃいますよ」
そこには今にも2人に触れそうな殺し屋が映っていた。
「離れていても私は彼らに指示できる。お友達の命は私がにぎっているんだ。おまえらにガタガタぬかす権利はないんだよ、二度と触れるなボケ」
「くっ、くそっ」
獄寺は苦虫を噛み潰したような顔で後退さる。
「それでははじめましょ――」
バーズは考え込んだような表情を見せた後、何かを思いついたように言った。
「ではお仲間でボンゴレ10代目をボコなぐりにして下さい」
『なっ』
「出血するまで殴ってくださいよ」
その命令に皆が声を上げる。
「まあ断られても私は困りませんがね。私のもう一つの趣味は人を驚かせることでしてね。」
バーズはそう言いながらも涎を拭う。
「例えば彼女の髪が突然燃え上がったら」
映像に映るのは2人の後ろに構えられた火の付いたライター。
「わかった!山本、獄寺君殴って!!」
ツナの言葉に2人は出来ないと悔しげに言う中、ビアンキは拳を振り上げた。
「うわーっ!!」
ツナの鼻からは鼻血が流れていた。それ見たバーズはお見事ですと笑う。バーズは懐からナイフを取り出し、怪しげに目を細めた。
「お次はこのナイフで沢田さんを刺してください」
バーズの言葉に皆は無理だと声を上げればバーズは京子を標的にしたようで映像を見た。そこには硫酸のケースを持った殺し屋。
硫酸がケースから零れ落ちそうになったとき、ツナは声を上げた。
「まって!!ナイフでもなんでも刺すから!!!」
ツナは声を上げる。
「絶対絶対だめだ!!!カンケーない京子ちゃんをひどい目にあわせるなんて!!」
ツナはナイフを両手に持つと、ナイフを腹目掛けて振り下ろした。その瞬間――
「ギギィィッ」
映像から聞こえた悲鳴にバーズは慌てて振り返る。そこには地面に倒れた双子の片割れと、ツナたちにとっての顔見知り――Dr.シャマルがいた。
バーズは慌てて次の標的のハルを見た。ナイフを刺すよう急かすバーズに追い討ちを駆けるように再び映像から悲鳴にツナは目を輝かせた。
ハルを背に立っていたのは大人イーピンとランボだった。近くで寝ていたリボーンはゆっくりと立ち上がると咳払いをする。
「よかったな。困ったときに助けてくれる仲間(ファミリー)がいて」
「うん……ん。ファミリーじゃないだろ!!」
慌ててツナが声を上げるとリボーンはツナの背中を蹴り上げた。ツナは情けない足取りでバーズへ突っ込み、拳を振り上げた。
 
 
バーズ&ツインズ
(きっともう少し、)

 
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