雪詠はリボーンから手渡された写真を1人、見つめ続けていた。
(なんでだろう…)
さきほどからこの写真の真ん中に立つ六道骸を見ては、胸が騒ぐ。その理由を知っているはずだと言うのに、答えはできない。そんな状況の中、雪詠は1人戸惑っていた。
「ずっと写真なんか見てどーしたんだ」
まさかほ、惚れたんじゃねーだろうな?と眉を潜めた獄寺に雪詠は思わず笑みを零す。そんなわけないじゃないかと笑いながらも言う雪詠に獄寺の顔が赤くなる。
「お、オレはだな!ただ敵にそんな」
「はいはい。心配ありがとね」
「心配なんかしてねー!!」
怒鳴り越えを上げる獄寺に雪詠はケラケラと笑っていた。――それでも、写真の六道骸には違和感を感じずにはいられない。
「ね、沢田君。そろそろ行くの?」
「え?…ああ!そ、そうだね」
慌てて答えるツナの言葉に穴の中から声が聞こえた。
「めでてー連中だぜ!!ひっかかったなーおまえ達に口割らねーだめにオポッサムチャンネル使ったんだよん!!」
全員骸さんの顔見る目におっ死びょんと声を上げる男に獄寺は腹を立てる。
「んだと砂まくぞコラ!!」
「甘いわハヤト」
砂を握り締めた獄寺の隣に立ったビアンキの手から落とされたのは両手で抱えないと持てないほど大きな岩だった。
穴の中から悲鳴が聞こえる中、雪詠は笑みで続く。
「違いますよ、そこはこうしなくっちゃ」
「なるほど。やるじゃない」
そう言って男の口目掛けて小石を大量に落としていく雪詠とビアンキにツナたちは恐怖を覚えていた。
「だが奴のいうとおり六道室をあなどらねーほうが」
奴は幾度となくマフィアや警察によって絶体絶命の危機に陥ってるんだ。
だがその度に人を殺してそれをくぐりぬけてきたんだ。脱獄も死刑執行前日だったしな。
全くもってとんでもない男である。
 
それから瓦礫の上を歩き続けたツナたちは調度良く昼を取れそうな空間を見つけお昼を取ることになった。
手際よく寿司とお茶を配ろうとした山本の前にビアンキが立ちふさがる。ビアンキは自身満々と言ったようにツナに虫と毒入りのコールドスープを差し出す。どうやら山本に張り合っているらしくツナは涙目でそれを見つめる。ちなみに雪詠はすでに山本から寿司を受け取り口にしていたりする。
「おいしー」
「そりゃよかったぜ!!」
ハハハ、と笑みを浮かべていた山本の顔が一変する。
「ん?弁当が…!?」
「伏せろ!」
隣のいた獄寺に頭を押さえつけられた雪詠は慌てて顔を上げた。
「敵の攻撃を受けてるわ!」
「どこから」
「…建物の中から聞こえる!」
雪詠の言葉に獄寺はボムを投げた。
「ダッサイ武器。こんな武器に柿ピーや犬は何を手こずったのかしら」
そこにいたのはクラリネットを抱えた少女だった。
「あ――さえない男見てると悲しくなってくる。
男は金よ。やっぱり付き合うなら骸ちゃんがいいわ」
骸の命でここに来たらしい少女はクラリネットを奏でる。その音に反応してか再び机に置かれていた料理は爆発を起こす。
「私がいくわ」
ビアンキはどうやら、男は金という言葉に苛立っているようだった。
少女の起こす爆発の原理が分かったビアンキはポイズンクッキング大型料理を取り出した。ちなみに食べ放題らしく量はかなりの物だ。
「あんたの脳ミスからチンしてあげる!」
ビアンキは料理を盾に少女に突っ込む。新たにポイズンクッキングを取り出したビアンキに少女は悲鳴を上げる、が。
「接近戦も得意なの!!」
クラリネットを2つに折り、ムンチャクのように扱った少女はビアンキを殴り倒した。
「さあ、とどのめのひと吹きよ」
そう言ってクラリネットを吹こうとする少女に山本が足を踏み出そうとするが、それは獄寺によって止められた。
「もう…触れたんだ」
「ひぎゃアアア!」
クラリネットはどろどろに解け切っており、虫が沸きっていた。
その攻撃は紛れも無く、ビアンキの攻撃。千紫毒万紅(センシドクバンコウ)だった。
ビアンキは少女の横を通りすぎ、横たわったリボーンに駆け寄る。愛の勝利ねと満足気に笑うビアンキの戦闘の真意はどうやら昼寝をしているリボーンを起こさないためだったらしい。
その事実に顔を引き攣らせた雪詠は後ろから近付いてくる足音に気付き、後ろを振り向いた。
そこにいたのは気色悪い笑みを浮かべた歳のいった男がいた。
その手にあるのはパソコンに映された見覚えのある2人の少女。その2人には皆は目を丸くし、声を上げた。
 
 
ビアンキVS.M・M
(戦いは未だ終わりを移さない)

 
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