氷室の後ろ姿を見つめるあいつ。なんとなく名残惜しそうな表情に、オレは苛立ちを覚えていた。 ヒバリの野郎のところへホイホイ着いていく氷室は、どうかしてる。 ましてやさっきまでオレ達に攻撃してきたやつだぞ?それに、あんな野郎と花見をするより、榊も、10代目も、…山本もいる花見のほうが楽しいはずた。 それに、榊も榊だ。 そんなホイホイ着いていく氷室を、名残惜しそうに見るなんて。 オレは誰にも聞かれないように小さく舌打ちをした。 わらわらと集まってくるメンバーの中には、氷室はいない。 オレは未だ名残惜しそうな顔をする榊を呼ぶ。 あいつはいねえけど、他のやつはいる。 だから、そんな顔すんな。 そんな言葉をオレが言えるわけもなく、呑み込んだ。 (…オレには、こいつを笑わせられねえのか。) 笑わせられる氷室が、少し憎らしく思えた。 理解不能な (苛立ちが募る) ←|→ |