次の授業は英語かーなんて呑気なことを考えながらも悠は屋上で寝っ転がり、大きな欠伸をした。 今日は良い天気だし、一眠りでもしたい気分だと悠は目を閉じる。 数学は面白く、理科は素直に学ぶことが面白い。国語はただの一般知識だし、社会はただ覚えるだけ。そんな悠の苦手教科は英語。聞き取ることはできても、それ以外はてんでだめだった。 よく周囲から意外だとも言われる。意外って言われても駄目なものは駄目なんだから仕方ねえだろと思っていればキィ、と錆びれた屋上のドアを開く音が聞こえた。 一般生徒かと思っていたがどこかピン、と張りつめた空気に相手が誰だか勘付く。 頭の上で重なる影。静かに目を開けば予想していた通りの人物で、悠はやっぱりと内心小さく呟いた。 「君達、桃巨会を壊滅させたらしいね」 「ああ、それ?…まあ、潰したけど。」 「ふぅん」 興味無さげに喉を鳴らした男に悠は上半身を持ち上げ、横目で男を見た。 雲雀恭弥。 並盛中学、風紀委員長。 並盛という彼の敷地内では彼に逆らうものがいたとしても勝てることのない男。 戦闘マニアで強い奴大好き。 この学校で聞いた彼の情報はそのくらいだっただろうか。 まあ、ぶっちゃけ雲雀が怖すぎて近付けないためか嘘かも本当かも分からず仕舞いなことばかりだが、そこら辺りには嘘は混じっていないはずだ。 「それで、何の用?」 「君がサボってるのが見えたから来ただけだよ。注意しに、ねっ」 シュッ、と空気が切れる音を聞き悠はソレを避け、振り下ろされたソレを空中で押さえつけた。 その動きに雲雀は口角を上げる。 「やっぱり君はおもしろいね」 「それはどーも…で、用事は?」 悠の言葉に雲雀は押さえ付けられていたトンファーをしまうと挑発するかのように悠を見下し、笑みを浮かべた。 「氷室悠。君を風紀委員会、風紀委員長補佐に命ずる。」 爆弾発言 (はい?) ←|→ |