ツナの家に泊まることになったディーノは使ってないからと貸してもらった1室のベッドの上でその日に起きた出来事を思い出していた。
自分の元家庭教師に会えたことはもちろん、弟分となるツナに会えたことは素直に嬉しい。
まだ頼りない弟分ではある。
だが、そんな弟分に昔の自分を重ねてしまうのは簡単で、そういえばオレもボスなんかやらないと駄々をこねていた時期があったと思い出した。
言い方は悪いがツナは軟弱で頼りない、甘ちゃんだ。
だからこそツナなら目の前のことに、一つ一つに目を向け、向き合えると思える。
マフィアには向かない仲間思いで優しい彼なら、このマフィアという世界を良い道へと向かわせてくれる気がしたのだ。
だからこそツナには信頼できる仲間が必要だった。
そういえば、とディーノは思う。
ツナと友達だと言ったあの2人。リボーンはファミリーだと言い張っていた榊雪詠と氷室悠。
あの2人には不明な点がいくつかあった。
念のためとロマーリオに連絡をし、2人のことを調べてもらったのだがどこにもおかしなところは無かった。
だが、どこか腑に落ちない。怪しんでしまうのは、きっとあの手榴弾のことがあったからだ。
まさか自分が部下の前で失敗してしまうとは思っていなかったのだが、自分が地面に足を着けた瞬間に近くにいた悠に鞭を取られ、雪詠が鞄で空中に上げた手榴弾を器用に取り、高く上げた。
一瞬のうちにどうすれば良いか判断をしたところにも驚いたが、一番驚いたのが悠だ。
人並み外れた脚力…ジャンプ力に、一般市民があんなに容易く鞭を扱えるだろうか?
だが、敵にはどうしても思えない何かがあった。
それは果たしてツナの友人だからか、リボーンが認めたからなのか。個人情報でどこも疑う点が無かったからなのかは分からない。
裏の世界に入った以上、疑うことは当たり前の行為。それなのに2人には疑おうしても、疑えない。そんな気がして、ディーノにはならなかった。
 
 
違和感
(不思議な2人)

 
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