「?どーしたの獄寺君」
「…まさか美術の補習とは思ってなかったので…」
そう言いながらも獄寺は頬を赤らめた。そんな獄寺を見て山本は声を上げて笑う。
「ハハハ、獄寺なんだそりゃ」
「蛇じゃねえの?」
「う、うるせ――!!どー見ても富士山だろが!!」
「え、蛇じゃなくて?」
「蛇じゃねえー!!」
悠の言葉に更に頬を赤らめた獄寺は握り拳を作りながらも机を叩く。
「ちょ、獄寺君机揺れる!!」
「わ、悪ィ」
「榊はなに作ってんだ?」
「うちは猫だよー」
雪詠の言葉にツナは首を傾げた。
「猫?」
「うち、猫好きなの」
「お前の性格猫みたいだしな。痛ッ」
「ざまあみろ!」
「止、め、ろ!」
悠の頭を叩いた雪詠はどこか誇らしげな顔をしている。
始めは悠に大人っぽい印象を持っていたツナだったが、意外な姿を見たように感じ、思わず笑みを浮かべた。
「氷室君は?」
「俺はアイス」
「アイス!?」
「センスねえーの選んでんな」
「お前に言われたくない。」
アイスってどんなの作ってるんだろ…と興味を持った面々は悠の作品を見て驚く。
「って、氷室君のリアルすぎて予想外なんだけどー!!」
「レベル高えのな…」
「そうか?普通じゃね?」
「……」
悠の作っていたのはなぜここまで作れたのかと思いたくなるようなリアルさだった。
テレビで良く見かけるような円状に細い輪まで付いている。それはお皿と思われる粘土の上に乗っており、これ以上なにをするんだと言いたくなるものだった。
さすがの獄寺も黙りこんでいる姿に雪詠は思わず身体を震わせる。
悠の作品に闘志が燃え上がったのか獄寺が負けてらんねえー!とばかりに必死に指を動かし、ツナはそれを苦笑しながらも見守った。
結局それら全てはランボとイーピンのお陰で跡形もなく綺麗サッパリとなくなる運命を彼らは知るはずもなく、必死な獄寺を先頭に指を忙しなく動かすのだった。
 
 
イーピンVS.ランボ
(努力が水の泡に)

 
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