「俺の弁当…」 「お前まだ言ってのか。」 「お前が昼食ってる俺を無理矢理連れてくるからだろ…」 獄寺の言葉に悠は呟く。 しかし肝心の獄寺はその呟きを聞いておらず、10代目をこれ以上お待たせさせるわけにはいかないと張り切っていた。 獄寺は不貞腐れた様子の悠を尻目に屋上のドアを開く。 「10代目、購買の新製品ソーメンパン一緒にどースか?」 「獄寺君に氷室君!」 ツナが目を見開いてこちらを見る。その光景にどうしたんだと首を傾げた2人は視界の端で何かを捉えた。 「?なんだこの子…」 獄寺の腕に落ちてきた子どもを見て悠は首を傾げる。 中華服にみつあみの頭。顔つきからしてなんとなく女の子だろうか。 「2人とも危ない!!獄寺くん早くその子投げて!!!」 その言葉に獄寺はなにをおもったのか笑顔でツナに華麗なパスをした。パスされた当の本人であるツナはオレじゃなくてー!!と涙目状態で声を荒げている。 「つーか子ども投げまわるなよ、危ないだろ!」 「これには深いわけが!!ひぃっ」 ツナとリボーンがお互いがお互いに投げ合いをしており、悠が注意をするもののツナは違うんだ言い張り続けていた。 「悠?」 「あ、雪詠…!それに山本も!」 「おっす」 後ろから声をかけられ、悠は振り返った。 「さっき山本と会って、教室行ったら悠いないし、屋上にいると思って一緒に来たんだ」 「悪い…。獄寺に無理矢理連行されてな…」 「おい!オレのせいにすんじゃねえ!」 「事実だろ…。」 「それから教室に悠の弁当あったから持ってきておいたよ」 「本当か…!…ありがとな、」 「お礼は悠のデレ顔でお願いします。」 「意味分かんねえーよ」 雪詠の言葉に素早くツッコミを入れた悠はそういえば、と呟く。 「山本はこんなところにどうしたんだ?」 悠の言葉に山本は実はさと頭を掻いた。 「オレとツナ、また補修だって言われちまってよ」 「お前も飽きねえーな」 「ハハッ、ってツナいんじゃん!ツナ、またオレとお前補修だってよ」 「山本ォ!!!」 屋上の入り口からひょっこり顔を出した山本にツナは目を丸くする。 よく見ればツナとリボーンが投げ合いをしていた子供が山本のほうへ落ちてきていた。それをキャッチした山本は首を傾げる。 「なんだこりゃ?」 「どうしたの、って…!」 「いいから山本!!思いっきり投げて――!!!」 「ん、しょっ」 ツナの言葉に山本はスイッチが入ったように目付きを変え、空に向かって投げ飛ばした。 高く飛び上がり、宙に浮いた途端大きな爆発音が響き渡る。それを見て雪詠がやっぱりと呟いたことを、誰も知らない。 イーピン (下手したら警察沙汰だな) ←|→ |