「あれ?山本?」
「おっ、榊と氷室!こんなところでなにしてんだ?」
「俺等は買い物の帰りだ。」
スーパーで買った食材の袋をブラブラと揺らしてみればなるほどなと山本が納得したように笑う。
野菜の詰め込まれたスーパーの袋を持つ悠はちょっと手が痺れてきたと隣で小さく呟く。それを見た山本は大変だなーとカラカラ笑った。
「山本君はこんなところに何してたの?」
「ん?ここはオレんちだぞ」
山本の言葉に、へぇ、と小さく目を見開かせて驚く悠は首を傾げる。
「山本は手伝いでもしてんのか?」
「手伝いってのもあるけど、実はツナがチビたちにだまされて食い逃げされてよ。金がなくて働いて返すことになってな」
その言葉にどういうこと!?と驚く雪詠であったが相手はリボーンだ。やりかねないだろう。
「沢田もいい加減あいつらの行動を読めるようにしないとな。」
「うーん…それは難しいんじゃないかな?」
リボーンの行動はいつも予想の斜め上をいっている。
それに気が付いた悠が確かに、と苦笑気味に頷いた。
「ハハッ!あいつら元気だもんなー」
「元気の域超えてると思う。」
雪詠の言葉に再び笑い出した山本はそうだ!と思い出したように呟く。
「いっけねー!オレ、手伝ってるんだった!」
「そうだったな。じゃあ、これで。」
「ああ!そんじゃ」
またなっ!と大きく手を振りながらも店の中へと姿を消す山本に2人は顔を見合わせ、静かに背中を向けるのだった。
 
 
食い逃げ
(可哀想な沢田君。)

 
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