「オレの人生は終わったんだ〜〜〜!!」
「…なにがあったんだ?」
涙をぼろぼろと零しながらも頭を抱えるツナに悠は膝を突き、ツナの高さに合わせて尋ねる。嗚咽を上げるツナに、雪詠はツナの背中をとんとんとテンポ良く叩いた。
「じ、実はオレ…人を殺しちゃったんだー!!」
どういうことやねん、と雪詠が内心呟いた。
元々沢田家へ来たのはたまたま獄寺や山本と会い、良かったら一緒に行かね?と誘われたからであった。
そんな軽い気持ちでここへ訪れた結果、これである。
「まだツナがやったって決まったわけじゃないだろ?」
山本の言葉に雪詠がそうだよと同意する。
「そーっスよ。だいたいこいつ本当に死んでるんスか?」
「…もしかしたら生きてる可能性も、」
「そっスよ!!」
悠の言葉に大きく頷いた獄寺は煙草に火をつけた。
「おい、起きねーと根性焼きいれっぞ」
「ひぃ〜〜〜!!獄寺君なんてことを〜!!」
なんと恐ろしいことを!
ツナが慌てて獄寺を止めようとした、死んでいたと思われていた死体はピクリと動いた。
「ぎゃあああぁ動いたあぁ…」
「救急車です!救急車を呼びましょーっ」
「悠!何とかして!!」
「普通に無理。死者蘇生とかできない。」
雪詠の言葉に悠は丁寧にツッコミながらも死体を見た。
(あれ…?鉄の臭いが、薄い…)
「Dr.シャマル呼んでおいたぞ」
リボーンの言葉を聴きながらも悠は首を傾げていた。
「どうしたの?」
こんなに血が出てるのに?と悶々と考えている悠に雪詠が不思議そうに悠を見上げた。
「ん、いや…少し気になることがあってな…」
「え、それって」
悠の言葉に雪詠は思い出したと言わんばかりにああ!と声を上げる。
「どうした?」
「悠、ちょっとこっち来て」
「お、おう」
死体から遠ざけるように雪詠に手を引かれた悠は再びどうした?と尋ねる。
「あれ、殺され屋だよ!」
「は?殺され屋?」
「うん!死んだ振りが得意なマフィアだったはず」
「なるほど…だから血のにおいがしなかったのか」
「さっきそれで首傾げてたんだね」
「ああ」
雪詠の言葉になるほどと納得した2人はリボーンを見つめる。どうせ彼の手配だろ。
「オレがふざけてる間に仏さんになっちまったのかもなー仏さんにゃ用がねーや」
諦めろと言わんばかりにその場を去って行くシャマルにツナはどうしようと頭を抱えるばかりだ。
そんなとき、ガラリとツナの窓が開き、一同は目を丸くした。
「やぁ」
『!!』
そこにいたのは応接室で会ったいつぞやの男だった。
「赤ん坊に貸しを作りにきたんだ。まあ、取り引きだね」
「待ってたぞ、ヒバリ」
「ふーん」
ヒバリ、と呼ばれた男は死体に目をやり、足で死体を転がした。
「やるじゃないか。心臓を一発だ。うん、この死体は僕が処理してもいいよ」
「なっ」
雲雀の言葉にツナはありえねー!と頭を抱える。
「じゃあ、あとで風紀委員の人間よこすよ」
「委員会で殺しもみ消してんの〜!!?」
「犯罪どころじゃないよね!?」
「またね」
そう言って死体を放置して雲雀は窓から飛び降りた。
そんな雲雀に獄寺は以前の仕返しだと言わんばかりにダイナマイトを投げるものの、それをトンファーで打ち返され沢田家が爆発するのだった。
 
 
はじめての殺し
(よく俺等死ななったよな。)

 
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