持ち前のポジティブさが武器です








HRを終えれば人が群がってきて質問責めにあった。
それからは普通に授業して過ごす。




「疲れたー」


「桐野さん、次体育一緒に行こう」


「なずなでいいよ」


「じゃあ、あたしも美奈で。こっちは真弓」




友達になった美奈と真弓と話しながら体育館へむかった。




「なずな、大丈夫かなー?」


「まあ、転校初日だし緊張してるかもな」


「ンハ、昼メシ誘おーぜ」


「後で、教室行ってみるか」




気になってたのは俺だけじゃなかったらしい。やっぱり少し心配だな。




つまらない授業も終わり昼休み。俺は水町となずなさんの教室に向かう。大西と大洋に捕まらないようになんとかたどり着く。




「なずなちょっとマジかっこよかったよー」


「あはは、美奈だって人のこと言えないじゃん」


「えー、てかふたり一緒だとうちら捕れないんだけど」




心配した俺が馬鹿だった。てか、どうやったら半日であれだけ溶け込めんだ?!




「なずなー、一緒に食おーぜ」


「あ、水町くん!…に筧くん」


「俺はおまけか」


「ふたりのこと知ってんの?」


「まあね。でも、…」


「「行ってらっしゃーい」」


「ねえ、泣くよ」




屋上で3人で弁当を開く。弁当は筧くんの手作り。




「よかったのか?」


「ん?ああ、大丈夫。あれ見たでしょ」


「ハハ、さっきなーに話してたの?」


「体育の授業でやったバレーの話。美奈がこれまた上手いんだな」


「話し聞いてる限りじゃなずなさんもじゃないのか」


「人並みよりはちょっと、くらいだけど」




もぐもぐとウインナーを頬張りながら言う。




「筧くん、明日はタコさんウインナーがいい」


「めんどくせぇ」


「じゃあ、うさぎさんの林檎」


「幼稚園児かよ」


「ケチー、つれないな。ね、水町くん」


「なっ、なずな」




ふたりで筧くんをいじればこれまた反撃してくる。うん、そういうとこやっぱ可愛いな。




予鈴が鳴り、それぞれ教室に向かう。帰ってくれば美奈に肩を揺さぶられる。そりゃ首がもげるんじゃないかと言う力で。




「ギブギブ!」


「なんで筧くん、と知り合い?めっちゃ羨ましいんだけど!」


「水町くんもいたよねー。しかも、名前で呼ばれてるしいいなぁ」




やっぱりあいつらモテるのか。




「筧くんとは家が近くて、水町くんはその関係で…」




ごめんなさい、嘘思いきりつきました。




「いいなー」


「美奈、筧くんのこと好きなの?」


「だって、かっこいいじゃん!でも、あたしの彼氏の方がいいけど」




紛らわしい言い方すんなよォォォ!!
めっちゃ焦ったじゃんか……。




そんな中午後の授業が始まった。