生活に慣れました








「なずなちゃん、これお願いね」


「わかりました。他に洗濯物ある人だしといてくださいねー」




この世界に来て3週間がたった。来てからというものなんの変化もない。




筧くんに進められて始めたマネージャー業も大分慣れてきた。




「大洋ー、そこのペットボトルとって…うわっ!」




洗濯物を抱えてたから足元に転がってたボールに気付かなくてつまずいた。




「はぁー、足元くらい気をつけて下さいね」


「流石大西、ありがと。こうしてれば紳士なのに」


「支えてる手離しますよ」


「えー」


「なずな先輩、今日夕飯食って帰りましょうよ」


「いいねー」




始めは喧嘩したりしてたのも今でこの通り。よくつるむようになった。




「なずなー」


「水町くん、お疲れ」


「俺のこと見てくれてた?」


「ばっちりとね」




抱き着いたままの水町くんに埋もれながらもW洋を呼び、助けだしてもらう。




水町くん可愛いし、嬉しいんだけど最近スキンシップが激しくなった気がしなくもない。




「なずなさんが来てから部が一段と明るくなりましたね」


「よよ、よく働いてくれるし、本当気がつくし助かるよね」


「小判鮫先輩、これなんか頼まれたんですけど…」




先輩と話してたら、なずなさんが封筒を持ってきた。




中を開けて3人プラス水町たちで覗き込む。こうして見ると子供と大人だな。




「えっと……練習試合の申し込み?」


「盤戸スパイダーズからだな」


「てことは赤羽さんがいるとこっすね」


「くはっ!!」


『?!』




赤羽にコータローに会える!やばい、顔の緩みが治らない。




「なんかいつものなずな先輩じゃない…」


「ていうかキモい」


「ンハ、おもしれー」


「………」




視線が痛い。でも、今はそんなこと関係ない!




「ぐへへ、」




ぞくっ




「赤羽どうしたんだよ?」


「なんか嫌な予感が…」


「ったく、スマートじゃねえな」




「じゃあ受けること伝えといてくれるかな?」


「はい、了解です」




盤戸との練習試合まで後1週間。