あれからカカシ先生はたまに家に来るようになりました。
多分…というかほぼ確実に監視だと思っている。どうやら下忍担当上忍は暇らしい。影分身かもしれないけれど、まあ私に分かるわけもないし。
下忍レベルのおつかいに上忍振り当てるのはなぁーとは思ってたけど、里内の監視も兼ねてるのだろうか…忍者っていうのは大変だ。
まあそれはそれとして、せっかく強い人が来てくれるので結界札の強化テストしようと思いまして
「私に向かってなんか術やってくださいません?」
「えー、それはユズが中にいないとダメなの?」
「中の人に被害あったら困りますし…。実用性と安全性兼ね備えないと売れませんって」
「でも流石に一般人に術はちょっとねぇ…」
交渉してます。
今のやりとりだけで何回目だろうか。いやまあ確かに私の見た目は子供ですけどね。というか札の威力を信じてないんだろう。気持ちはわかる。
「…じゃあ仕方ないんでカカシさんがこの結界札使ってください。私はこの水の札使うんで…」
「それ血文字のやつデショ…まあいいけど…」
渋るカカシさんにイラついたわけでない。決して。
せーのの合図で同時に札を発動してみる。
札から発生したありえない水の量がカカシさんに襲いかかるも、結界がうまく発動したらしく、綺麗に水流が裂ける。しかし裂けた水流の一方はそのまま勢いを落とさず、我が家スレスレのところを通過した。
oh......ボロ屋が更にボロ屋になるところだったぜ。
「……結界札に問題はなさそうですね!」
動揺を振り切るように早口に言い切って、カカシさんを見ると、カカシさんは危機を免れた我が家から目をそらさずに言った。
「…いやーこれすごいねぇ。いくら?」
危うくデジャヴを感じるところだった。
カカシさんは結界札を買っていきました。まいどあり