まあなんやかんやで売れてってます。札屋です。
チャクラがある程度練れれば誰でも使えるってことが大きいのか。
客は少ないけど常連は多い現象が起こっています。
穴場の店みたいな?わからん

仮にも忍具を扱ってるので顧客対応です。アカデミー生と信用置けない下忍には売りません危ないから。
下忍は担当上忍の許可とってからな!

どうして下忍を取り締まってるかというと、主要メンバーに札を売って、原作が変わるのを回避したいからだ。ナルトとか悪戯に使いそうだし。ばりばりに私情である。


とりあえずその日の食事分は自分で稼げているし、しばらくは現状でいいだろう。札の材料費はほぼタダで、1人分の食費なんでどうとでもなる。山菜だって取り放題だし。
電気は通ってないし、水は井戸を使えばいい。

…なんて古風な暮らしなんだろう。江戸時代だろうか。


もちろんちゃんと修行もしている。
この世界、というかこの世代に生まれたら十代の内に死ぬ気がする。
木の葉崩しにペイン襲来に…あとなんかラスボス戦あったし。忍界対戦。

うわぁー…

木の葉崩しはやり過ごせても、ペイン襲来は無理な気がする。里一帯クレーターみたいになってた気がする。

うわぁー……

これは確実に死ぬ。未来を軽く想像しただけで心が折れそうになったので、自分の身を守れるくらいには強くなろうと思います。
主に防御と逃げ足を鍛えようかと。


そんなこんなで、縁側で結界札の強化に四苦八苦してたら、いつのまにかカカシ先生が目の前にいました。
なにこれ怖い。気配しなかった。

「どーも。君がユズだよねー?」

「まあ、そうですが…誰ですか」

知ってるけどね。それこそ誕生日とか好き嫌いまで知ってるけどね。

「俺ははたけカカシ。君の同期の担当上忍だよ。となり、いい?」

カカシさん目がめっちゃ怖いです。ニコッとしてて逆に怖い。まあ真顔でも怖いけど。

許可してないのに隣に座るカカシさん。
…うんまあいいんだけどね?

「…なんですか?」

「ま、特に用はないんだけどね」

イラっとしたので、ほんのひとつまみの唐辛子(多分)入りのお茶を出してやる。
飲まないだろうけど。

縁側に並んで座る。床がギシギシ鳴っているが、私のせいではない。

さて、ギスギスした探り合いの雰囲気も嫌なので、さっさとどうにかしよう。居心地悪い。

「…ユズです。両親は、私が産まれてすぐに殉職しました。親戚に預けられましたが、忍ではなく、居づらかったので7才の時にここに越してきました。それから今まで一人暮らしです。」

黙って聞いてるカカシ先生を他所に、お茶を一口すする。もちろん、唐辛子が入っていない方だ。美味しい。

「先日、下忍選抜試験に落とされたので、札を売って生活してます。忍にはもうならなくていいかと思ってます」

言いたいことは言いましたよと隣を見ると、カカシ先生が湯のみを持って若干驚いた目でこっちを見てた。

今の私は見た目は子供、頭脳は大人だ。なめるなよ

「なに?急に」

「近状報告ですかね」

ふーん。って返事が返ってきた。
え、探り合いじゃないんだろうか。火影に頼まれたとか、怪しい噂を聞いたとか。
個人的にはその手に持っている湯呑みをぐいっとやるついでに、素顔をさらしてくれると嬉しいのだせれど。

「札屋ってのは?」

とりあえず身近にあった水の札(中忍並)を渡して軽く説明する。
チャクラを流してほおり投げるだけで水が出る優れものだ。

カカシ先生が実践すると、水がざあーっと流れた。

首を傾げた。私が使うより、威力が弱い気がする。
作り方をミスっただろうかと確認し、今度は同じ札をは同時に試してみる。

カカシ先生のより全然強かった。

あれ??

「ユズが使った方が強いね」

「同じ札なんですけどね?」

悶々と考える私。
カカシ先生は縁側に座ってほのぼのしている。ついでにお茶とか飲んでくくれないだろうか。

使う人によって効果が違うのか。
でも私はカカシ先生より弱いし。
ってことは私が使うと強くなるのか。

閃いたので、口寄せの要領で親指を噛み切って(かなり痛かったのでもうやりたくない。絶対やらない。)血文字でさっきの札を作ってみる。二枚。

そしてカカシ先生に一枚渡す。

「ちょっとやってみて下さい」

カカシ先生が実践
どばぁっと水が流れた。
私が今作ってる上忍レベルの札より圧倒的に強い。波が木々にぶつかって弾ける。
この光景どっかで見た。
あれだ。再不斬編のカカシ先生がこんな技出してた。残念ながら龍はでないけど。

何やら考え込んでいるカカシ先生を横目に、私も実践してみる。

物凄い水が流れ、木々が何本か倒れた。
前方には森しかないから良いものの、後ろの家にも軽く被害がでた。

結論から言うと、家の崩壊が若干進んだ。

隣のカカシ先生は、ちょっと引いた目で見ていた。

正直私も引いた。

「…ユズは血系限界持ってたりする?」

「しません。忍者落第した一般人です」


とりあえず迷惑料として血文字札を何枚か差しあげておいた。くれぐれも気をつけてください。


どうせ火影様に連絡が行くんだろうなぁ 拷問とかは嫌だから結界張って閉じ籠ろうかなあ




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