学校内をうろついて噂等を参考にした結果、どうやら他クラスにも先輩にも、ご存知NARUTOキャラがいるらしいと知ったときの私の心境は複雑だった。
ごめんなさい嘘です。
正直かなり嬉しかった。めっちゃ目の保養ですありがとうございます!

熱血で有名なリー先輩で思わず吹き出してしまった。すごく会いたい。


だがしかしだ。常識的に考えて、好きなキャラを目にしたオタクのテンションでクラスメイトに接してはいけない。
例え今は同じ次元に身を置いていたとしてもだ。相手からしたら恐怖だ。ドン引きなんてものじゃない。オタクなめるな。
というかナルトにドン引きされたらショックだ。立ち直れない。好きとかじゃなくてイメージ的に。

つまり、私の安全な高校生活のためには、普通のクラスメイトとして眺めていた方が良い。

そう結論付けた私は、とりあえず応急処置としてマスクをすることになった。
悪いがどうがんばってもニヤける。怪しまれる。
憎き花粉症に感謝することになるとは思わなかった。ありがとう花粉症。君のおかげで良い言い訳ができたよ。

そう。そして乗り切っていたのだ。
花粉症シーズンが終わった今では、マスク無しでも業務連絡(次の時間割とか)を出来るくらいには克服していたのに。

私は見てしまった。
授業間の休み時間、うずまき君と奈良君、うちは君が窓際に集まって、シュシュシュッなんて音が聞こえてきそうな、ものすごいスピードの手遊びをしているのを。

ちょっと脳が受け付けなかった。
手遊びじゃなくて印ですよね知ってます。よく知ってます。

つまり記憶持ち確定じゃないですか。仲良いのは知ってたけど現パロ学パロパラレルワールドという可能性も…って思ってた私が馬鹿でしたね分かってる。

こいつらあのエセ忍者経験してやがるぜ。確実に。

ミーハー心(というか単なるオタク心)が疼いた。裏舞台とかめちゃくちゃ知りたい。
日常小話すごく聞きたい。

あとうちは君が今やってる印は火遁かな?うずまき君のは影分身だね!奈良君のは…なんだろう、十二支のやつじゃなさそうだから影真似系のだ。多分。


思わずガン見してしまい、振り向いた奈良君と目が合いそうになった。
慌てて手持ちの本に目を落とす。
IQ200コワイヨー… プラス木の葉の参謀としての経験とかあるんでしょ無理です。

あの人達は記憶があるとして、他の人はどうなんだろうなぁと、頭に入ってこない文字列を眺めながら、何度か廊下ですれ違っているヒナタちゃんを思い出した。



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