ヒナタちゃんに心配されつつ教室に戻ると、なにやらメールが。送り主はネジ先輩だ。

『派手に転んでいたようだが無事か?
というかナルト達とクラス同じか?
何故言わないんだ』

お、おお…どうやら見られていたようだ。うわー恥ずかしい!
そもそも何やってるんだネジ先輩。授業うけてください。頭を抱えながら返信を打つ。

『見られてましたか…うわー恥ずかしい!
私は無事です!忘れてください!
うずまきくんだけじゃなくて、うちはサスケくんと奈良シカマルくんもクラス同じですよー!すごい3人ですよね…』


送信すると、5分も経たないうちに『まあ頑張れ』とメールが届いた。ネジ先輩は会いにこなくていいのかな…あの3人記憶あるの…に…?
あ、言ってなかった。


『伝え忘れてましたすみません!あの3人多分覚えてますよ!印結んでました!!』


授業開始のチャイムがなる直前に慌ててメールを送った。ごめんなさいネジ先輩。

────

授業終わりにケータイを見ると、『そういうことは早く言ってくれ。まあ当分は何もしないさ』というメールが。
当分っていつまでだろうなーと考えていると、教室のドアのあたりが少しざわついた。

「うずまきってこのクラス?」

暖かくなってきた時期には少し厚手に見えるカーディガンを羽織った色白の男子は、騒いでいたうずまきくんを見てニッコリと笑った。比較的うずまきくんの近くにいた私もダメージを受ける。イケメンだー!

「やあ。さっきの体育のプリント、余ってないかい?先生はうずまきが持ってるって言ってたんだけど…」

そういいながらうずまきくんに近づいた色白の男子──サイを見て、うずまきくんは口をパクパクさせている。ガン見出来ないのでケータイに目を落とすふりをしながら耳をそばだてた。
うずまきくんは小さく、静かに、「サイ…」と呟いたようだが、一呼吸置くと打って変わって明るい声をあげた。

「ああ!さっきのプリントか?そういやさっきいなかったな。遅刻でもしてきたのかよー」

「途中参加したんだけど見てなかったの?ナルト。周りを気にしないのは相変わらずだね」

思わず顔を上げる。疑われないように静かに。
目をまんまるに見開いているうずまきくんと、ニッコリと笑っているサイを視界に入れると、ほぼ対角線にいた奈良くんと目が合った。あかん!

すぐにケータイに目を落として、開きっぱなしだったネジ先輩のメールに返信を打つ。


『サイがいます!ヒナタちゃんと同じクラスで記憶はあると思います!!病弱系色白イケメンです!!』

『とりあえず落ち着け。あと俺も色は白いぞ』


すぐに帰ってきた返信が本気なのか冗談なのか悩んでいたら、休み時間はすぐに終わってしまった。



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