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魔術師の優劣魔術師。
魔術を扱うことのできる者。
魔力をもっている者が、誰でも魔術師になれるわけではなく、資格制だということを知ったのは、この異世界での生活にだいぶ慣れた頃だ。
ナティア・ティアクライシス。
僕と血の繋がりがある者。
世間一般的に親戚、従兄弟。
これも、この異世界に来て初めて知った。
頭も良くて、要領も良くて、綺麗で…、僕とは似ていない従兄弟だけど、共通点はブルーアイチルドレン(異なる種族から産まれた混血児)ということ。
カエン)「知らなかった」
そんな現役魔術師の従兄弟から聞いたこと、魔術師は資格制…。
ナティア)「佳薗くんが知らなくても当然だよ 人間界…、えっと、ニッホンだっけ?」
カエン)「日本ね」
ナティア)「うん そう、それ」
笑って誤魔化した。
ナティア)「魔族が居ない世界じゃ、考えられない話なんだろうけど… でも、魔術師だって、資格が無いとできない職種なんだよ 誰でもなれるわけじゃない」
カエン)「資格取るの、難しい?」
ナティア)「魔力を最低限扱えていれば大丈夫だよ 魔族の中には魔法が苦手な人もいるけど… その人はほら、他の職種があるから 剣士とか、狙撃手とかね」
カエン)「カイとミケさんだ」
彼らも、自分に適した職種で活躍中だ。
ナティア)「資格は世界共通で、自分の世界でのランクもわかるんだ A〜Hの8段階でね Aが最上級、B〜Cが上級、D〜Eが中級、F〜Hが下級って」
カエン)「そういえば… さっき大佐に会ったら、自分はBランクだって、いきなり紙を見せられたけどー… あれ、自慢してたんだ…」
ナティア)「あぁ…、資格更新したんだよ 更新するだけなら、どこの国でも受けられたから… この国で物資調達するついでに、一緒に行って来たんだ」
カエン)「そうなんだ… ナティアさんは?」
どのランクだったのかと質問すると、机の上に置きっぱなしになっていた数枚の紙を、隠すように手に持ち、しれっと。
ナティア)「ないしょ」
カエン)「ふ〜ん…」
隠すのが少し遅かった。
ちらっと見えた紙には、下級に分類されるFランクという文字。
でも、それでも…。
更 な る 高 み を
目 指 せ る
位 置 に い る 。
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