ログ










「こちらは、魔術師カウンターです 資格取得ですか? 資格更新ですか?」

ファルマ)「資格更新で」

「かしこまりました」


魔術師になるには資格が必要だ。
資格取得自体は難しくない。
ただ、ランクがある。
ランクは、A〜Hの8段階。
Aが最上級、B〜Cが上級、D〜Eが中級、F〜Hが下級魔術師として各々振り分けられる。
そのランクによって、昇進や給料に大きく影響されるのだから、低いランクよりも高いランクの方が良い。




ファルマ)「…なに緊張してるんだ?」

ナティア)「べ、別に、緊張なんか…!!」


資格更新は、年に一回。
簡単な手続きをするだけで完了するが、更新を怠れば、その時点で資格失効になってしまう。
ちなみに、昇格試験は二年に一回。
来年だ。


ファルマ)「クルシス軍本部に居た頃は、本部の中に備わっていたから楽だったんだが… こう旅で飛び回っていては、更新するだけで大変だ」

ナティア)「うん… こんな大きな魔術師資格取得更新センターに来たの初めて…」

ファルマ)「……だから、ガチガチに挙動不審だったのか… 確かに、スターライズ国のは小さいが…」


大佐と物資調達することになって、二人きりで街を歩いていたら、大きな更新センターを見つけた。
オレも大佐も、まだ更新を済ませていなくて、今後いつ更新できるかわからないからと、この国で済ませることにしたのだ。


「ナティア・ティアクライシス様」


受付嬢に呼ばれた。




ナティア)「……変わってない…」


"当たり前だ、昇格試験じゃないんだから"と自分自身につっこんだ。
Fランク、下級魔術師。
現実は、こんなものだ。
来年の昇格試験こそは、中級魔術師に…。


ナティア)「…ねぇ、ランクは?」

ファルマ)「ん?」


自分のランクは教えられないくせに、人のランクは気になってしまう。
いや、大佐(父親)だから余計に。
更新を済ませて戻って来た大佐に、自分の書類はしっかり隠して、藪から棒に聞いてみた。




ファルマ)「ほら!!」

ナティア)「なっ…!?」


躊躇無く見せられた書類。
その書類には、Bランクの文字。


ナティア)「上級魔術師…!?」

ファルマ)「なにを驚いている? あのクルシス軍に所属している軍人なんだぞ? 当然のランクだ …下級魔術師じゃあ、話にならないぞ?」

ナティア)「な、なんでっ…!?」

ファルマ)「お前が必死に隠してるんだ 下級にきまってるだろう? それに、お前の今の実力を考えると、下級が妥当だろうからな」


下級、下級って何度も言わなくても…。
書類で顔を隠した。




! !


>>秋空鈴音のひとこと


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