※現代、心持ちR15な感じ。











「あー、暖けぇー」
(…俺は暑い)
今日はクラウドに呼び出されてバッツのアパートで宅飲みをした。まぁ俺もスコールも未成年だから酒は飲めない訳で、バッツがわざわざバーテンのバイトをしているからとノンアルカクテルを作ってくれた。
それがまた旨くて、酔う成分なんか入ってないのに、二人でベロベロになりながら俺たちの愛の巣(多分こんな言い方したらスコールにぶん殴られる)に帰ってきた。で、酔ってスコールの気分が幾分か良かったのもあり、俺もそういうお年頃なので拒否する訳もなく。
1ラウンドして、今スコールの胸元で落ち着いてるという訳。
人肌って、何でこんなに落ち着くんだろう。お互い汗かいてベトベトするし、冷房きいてる筈なのに暑くて。スコールは内心嫌な筈なのに、それでも酒の力のお陰か、俺のことをちゃんと抱きしめてくれてる。
「へへ…」
それが嬉しくて、俺は更にスコールに抱きつく。
「…何だ?」
一人でにやけて気持ち悪いとでも言いたいんっスね?そんなことお見通しだっつの。
「人肌って、何でこんなに気持ちいいのかなーって…」
「俺は暑い」
「奇遇っスね、俺も暑い」
「じゃあ離れろ」
「やだ」
「………」
スコールの左胸に耳を寄せて、目を閉じる。トクン、トクンと聞こえる心音。好きな人の心臓の音。生きてるあかし。じっと耳を済ませていると、ふと頭を撫でられた。
正面を向いていたスコールの身体が、やさしく、やさしく、俺を抱きしめてくれる。
またそれに、俺の胸の奥がじわりと暖まる。
背中に腕を回して、背中を撫でる。スベスベして気持ちいい、スコールの肌。鼻いっぱいに、匂いを吸い込む。嗚呼、しあわせだ。
「スコール…」
「…何だ?」
だるそうに、それでも返事をちゃんと返してくれる。
「だいすきっス…」
「……知ってる…」
嬉しくて、剥き出しの胸元にキスをする。その内にだんだん気持ちよくなってきて、眠気がやってきて、スコールの息遣いも、だんだん寝息になってきて。
「おやすみ…」
少し顔を伸ばして、唇にキスをして、そうしたら、またぎゅ、と抱きしめられた。







恋しい




2012/09/09


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