※現代、5が薬学部大学生、10が高校生











「お洒落な人間になりたいっス」
「は?」
かき氷をざくざくストローで彫りながら、ティーダが突然そんなことを言い出した。
日曜日だからか人も多く、熱気も凄い。だからみんな涼もうと店の中は大盛況だ。その所為かあんまり涼めてはいない気がする中、ティーダが藪から棒にそんなことを言い出した。
俺もティーダと同じようにかき氷をざくざくストローで彫りながら、
「何だそりゃ?」
と返してやる。俺もよくスコールからめちゃくちゃだとか言われるけど、ティーダも十分めちゃくちゃだと俺は思う。
「スコールってさ、頭良いじゃん」
「そうだな」
ティーダの話によると学年でも模試でもトップクラスらしいしな。
「バッツも、認めたくないけど薬学部じゃないっスか」
「おい、酷い言い方するなよな〜」
「二人の共通点は、ズバリ頭が良い!それに伴いいやでもついてくるステータス!それは、お洒落な人間っス」
「…その理屈はよく解らないなぁ」
だって!とティーダはずいぶん熱がこもった感じで続ける。ただでさえ暑いんだから何もヒートアップしなくとも…。
「クラスの女子に聞いたんスよ!スコールは頭が良いし実質お洒落だって!!スコールだけじゃない!!バッツの友達のセシルだってちょうお洒落っスよ!!何かもう何か一つ発言とか仕草するだけでお洒落オーラプンップンっスよ!!それに比べて俺なんか…俺なんか…!!」
一気に喋っては今度は意気消沈。相変わらず見てて厭きない奴だなぁ。とりあえず溶けて液状化したかき氷をストローで吸いながらよしよしハンドでティーダの頭を撫でてやる。
「…同じルームメイトなのにさ、もっと仲良くなりたいのに、スコールと本当うまくいかないんスよね」
はぁ、と深い溜め息を吐きながら、ティーダが呟く。
曰わく、スコールと兎に角仲良くなりたいティーダはルームメイトであるスコールとうまく仲良くなれないらしい。端的に言うとつまりこういうことらしいのだが、スコールと何か会話をしようものならすぐに一刀両断されてしまう。それで、そんなことを急に言い出したのか、と納得して、同時に呆れた。
「馬鹿だなぁティーダは」
「バッツまでそんなこと言う〜〜〜」
「そういう意味じゃないって」
苦笑しながら、今度は自分の手でうなだれてる犬の頭を撫でてやる。
「ティーダはティーダなんだから、変に畏まったり、そこまで相手の調子に合わせずとも良いんじゃないかってことだよ」
「…そう、っスかね……」
「ああ、そうだよ」
…まぁ、きっとスコールのことだ、ティーダの得意な粘り強さが発揮されれば嫌でも諦めてその内面倒見るようになるだろう。
ていうのは、俺の心の内に留めて置こうと思う。











どうしたら



2012/08/01


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