07

「ねぇ〜まだ〜?」

「もー進まないよ、離してタカノリ。」

「やーだ。うなじうまそ…。」


チュウっと吸い付くと雪乃がガクっと膝を緩めた。片手でそんな雪乃を持ち上げつつうなじのラインに舌を這わすと「ンッ。」甘い声にニヤリと頬が緩んだ。早々に仕事を切り上げて時間きっちり家に帰ってきた俺を、少し前に帰ってきたであろう雪乃がエプロン姿で出迎えてくれた。飯の準備をしている雪乃をキッチンで後ろから抱きしめている俺だけど、そろそろ雪乃が降参してくれるんじゃないかって思っているわけで。


「タカノリ、ずるい。もうちょっとなのに、我慢できなくなる。」


くるりと振り向いた雪乃はお鍋の火を止めると、自ら俺の首に腕をかけた。わーおーって内心テンションあがってガッツポーズの俺は、ニッコリ微笑むと雪乃のキスに応える。そのまま腰を抱いてリビングのソファーの上に二人して倒れこんでまたキスを交わす。雪乃の唇はいつも苺の味がして何度だってキスしたくなる。可愛い服も、下着も、全部全部隆二さんの為のモノかもしれないけど、こうして抱き合っている今この瞬間は、雪乃の全てが俺だけのもんで。隆二さんがいない時を見計らって、俺達はもう何度となくこの行為を繰り返している。いつかバレてしまうことを恐れながらも、今はこの愛を止めることができずにいる。俺も雪乃も。

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