予感



「え、もうCランクの任務を?」


俺が正式に下忍になってから
2週間が経った

此の2週間は充実はしていた
任務尽くしの毎日で有り、姉さんも
姉さんで任務を全うしお互いが
家を留守にする事が多かったが
夜の食卓はこうやっていつも通りに
2人で飯を食えている

そして今夜も絶品の姉さん手作りの
料理を口にしながら俺の1日を
報告と言う名で話す

周りからしたら過保護かも知れ無いが
其れが俺達の中での掟 .

真剣に俺の言葉一つ一つに深く
頷いてくれる姉さんを横目に俺は
又今日も 、口を滑らせていく


「嗚呼 、ナルトが駄々をこねたお陰でCランクを受ける事になった」


「へぇ〜..そう 。内容は? 」


「波の国まである人物の護衛任務だ」


「波の国なら安心ね、あそこの国は忍は居ないし...だけど」


もぐもぐと陽気に白飯を口に
運んでいた姉さんが突如箸を止めた

何か物語る瞳で此方を伺う


「道中は気を付ける事 . いつ何処の忍が襲って来るか解らないよ 、まぁカカシが居るから大丈夫だとは思うけどね 」


「 ..... 」


又あの男の名を出しやがったな

俺が眼に威圧を込め姉を睨み付ける
其の視線にもう慣れたのか
罰の悪そうな表情をし笑顔を濁す

どんどん姉さんの笑顔を俺の眼が
吸い込む..そんな感じだ


「 ... 取り敢えず油断は駄目 、アンタの班で頼りになるのは今の所サスケくらい何だから 。其れはサスケも分かってるでしょ ? 」


「分かっている ... 姉さんの其の異常な心配性は昔から治ら無ェな 」


出逢った頃から少し外へ出るだけでも
何十分も掛かる注意という名の説教を
毎度毎度俺とイタチは受けていた

俺に関しては未だ其れがこうやって
続いている訳だが


姉さんがイタチに向けていた眼は
決して " 兄 " と思っての眼じゃ無かった

そんな事くらい餓鬼の俺でも解った


「 人間何てものはね . 特に私達忍なんかいつ何が起こるか何て解らない 。だから今此の時を大切にしなきゃでしょ? 」


目の前に居る少しぎこちなさそうに
笑みを浮かべる姉の言う事は最もだ

いつも姉の言葉には無意識に
頷かされ毎回妙に説得力の在る言葉に
驚かされる


「 気を付けて行ってくるんだよ 、初Cランク任務全うしておいで 」


白い歯を見せ、親指を立て俺に向けて来る眼差しは愛らしい子供にも見えた

其れに釣られ俺も親指を立ててみせる


カカシみたいじゃねェか...

少し恥ずかしながらも俺なりの
精一杯の笑顔を彼女に見せ付けた




「 御休みなさい サスケ 。ゆっくり休むのよ 」


「 御休み 姉さん 、姉さんも明日から長期任務なんだろ ? 先に俺が帰って来る事になるな .. 姉さんこそ気を付けてくれ 」


向かい合う姉弟の部屋のドアの前で
姉弟は顔を見合わせて中々入室しない


シスコン だと思われても構わ無い

もう家族を失いたく無いんだ


特にアンタ 、ナマエはな


「 ... ふふ 、サスケ私達此の侭じゃ寝れないね 。今日は一緒に寝よっか . そしたら安心して寝れる筈 」


「 なっ ... !俺達はもう餓鬼じゃねェんだぞ!何を言い出すんだ 、ウスラトンカチ !」


「 照れてる場合じゃ無いでしょ 、今日だけだよ 。」


横目で真っ赤な俺を見やりクスっと
笑い自室へと入っていく

其の後ろ姿がやけに大人っぽく
色気が纏わり付いていて俺は又
姉さんの姿に魅了されていた


自然に一歩一歩、歩を進める脚


姉さんの寝室に入るのは
約2週間振りだった


「 もう11時だって 。早く寝なきゃ私起きれないかも 」


1人で呟いている姉さんはというと
ちゃっかりベッドに潜り込み寝る
態勢に入っていた

ベッドの前で立ちすくむ俺に気を
使ってくれたのか上半身を起こし
此方を見つめる


いつもの柔らかく甘い笑顔で

頬が落ちそうな姉さん


「 何やってんの 、おいで ? 」


「 あ 、 嗚呼 ... 」


ガバッと布団を捲り上げ俺のスペース
を作る

其処に遠慮がちながらも慎重に
入り込む

姉さんの匂いが鼻一杯に広がった
香水にも似た甘いフローラルホワイト
軽く嗅覚を擽らせる


「 サスケ捕まえた 〜 」


「 うわっ .. !何する !この っ ! 」


「 ... 何処触ってんの 、馬鹿 ! 」


姉さんが調子に乗って俺に抱き付いて
来たので俺はすかさず無意識に
姉を押しのけてしまった

反射的にやってしまった行為なので
手を当てる場所などさほど気には
していなかった


そしたら膨らみの在る柔らかく
程良い肉が付いた胸元へと俺の手は
伸びていた


何て柔らかい ... 駄目だ 此れは

理性が保てそうに無い


「 もう っ !.. 本当私寝るから ! 」


そう言い俺に背を向けた

其の背中からは もう近付くな と
此方へ語り掛けて居る様にも見えた


「 姉さん 悪かったって .. 」


俺が再び姉さんの肩へ手を掛ける

だが 、肩は上下していて健康的な
寝息が直ぐに耳に入った


よっぽど疲れが溜まって居るのか
異常に眠りにつくのが早い


いつも有難う 、姉さん


感謝の意を込め . 其れから俺の想いを
込め そっと額に口付けた


さっきの仕返しだぜ

ウスラトンカチ



「 御休み 、姉さん 」




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