新たな一歩



「ごーかっく

ニコ、と俺は擬態語さえも付きそうな
勢いの満面の笑みを浮かべ三人の元へ
向かった

だって嬉しかった、初めての俺の
愛弟子達になるんだ

思いやりが在り、仲間を第一に
考えれる忍で良かった


丸太に縛られるナルトは相変わらずの
阿呆面で俺を出迎えてくれた
この顔じゃ状況把握出来て無いな...

サクラも同様、ナルトとおり二つの
表情をしている.この子は本当に立派に
育ててあげないと先が思い知らされる

一方のサスケはこの展開に予想し切れて
居なかったにしろ、臨戦の構えをし
ばっちりと逃亡する準備が出来ていた

流石はうちはというところか
万能たる知恵に瞬発力__戦闘力に
おまけに容姿までサービス付けちゃって


「サスケ、おめでとう!やっと一人前の下忍になれたね」

「姉さん...!?何で姉さんが此処に...」

「うおっ、ナマエ居たのか。いきなりでびっくりしたじゃないの〜」

「見に来たら、と誘って来たのはどこの変態マスクさんですか?ねっカカシ」

「.....」


嗚呼、ナマエが俺に向ける殺気にも
似たこの痛々しい視線をどうにか
してくれ

そんな俺に代わりサスケはとんだ
シスコン野郎だ、姉が来ただけでさっき
の威嚇は完璧剥がれてくてくと姉である
ナマエの元へと走り去って行く

こんな穏やかで和やかなサスケの表情
は初めて見たよ..ナマエ


「カカシが来たら?って言うから来たの。それにカカシの事だからサスケが心配で...、でも合格したのなら良かったよ」


「ちょォォォっとタンマッ!!!そこの綺麗な姉ちゃんは誰何だってばよ!サスケの野郎め...!!!」

「本当に綺麗な人...でもどうしてサスケ君があんなに親しげなの?」


そうか、此奴等がナマエを知ら無い
のは無理も無い

現在ナマエは14という若さで暗部隊長
を務めている、闇で生き光では極限の
注意を払い闇に身を潜める事で任務を
全うする...其れが暗部という名の組織だ

精々ナマエの存在を知っているのは
火影を始めとする上層部の奴等、上忍
一部の中忍、暗部の部員達といった所か

14で暗部隊長...過激な人生を此れからも
送る事になるんだろうがこの子はサスケ
の様に復讐心などは持っていない


それは...かつての総隊長であった
張本人に原因があるのだろうか
問い掛けるのには余りに荷が重いので
誰も問い出した事はない


「ナルト...薄汚ェ目で姉さんの事を見るんじゃねェ。手を出してみろ。殺すぞ」

「サスケの奴イかれてる...実の姉に想いを寄せてる何てよォ!」

「ちょっサスケ、言い過ぎだよ」


「ナマエ、此奴等は俺の新しい愛弟子達だ。御前とは初対面だろうから挨拶でもしてやってくれ」


取り敢えずナマエとサスケの間合いを
俺が途絶えさせ彼女の背中をトン、と
前方に押した

彼女は其れに応える様に俺へと頷き
自己紹介といった初めての挨拶を交わす


「私の名前はミョウジ ナマエ.サスケの姉だけど血は繋がって無いの。歳は今年で15、貴方達とは二つ離れてる事になるね。これからサスケと私、宜しくね?」

彼女も又、ニコと語尾にハートマークが
付きそうな勢いの笑顔を向けた

...サスケが不満そうに睨んでるぞ
ったく、下心丸見えだ、サスケの奴


「因みにナマエは俺と同じ上忍でもあり火影直属の暗部隊長でもある。っさ、御前等も自己紹介しろ」


暗部隊長という重みの在る単語の意味
が理解出来無い変わりに?火影直属?
という単語に2人は瞳が揺らいだ

言葉にも出ず驚き絶句している


「オレってばうずまきナルトってェんだ!姉ちゃんからしたらまだまだガキかもしんねェけどオレは将来火影になる男だってばよ!」

「わ、私は春野サクラって言います...っサスケ君が好きな乙女です!」


ナマエは眉一つ動かさず微笑ましく
彼等2人を見つめている

サスケにも友人という名の頼もしい
友人が出来てホッとしている様にも
見えた


話が1段落した所でやっと本題に戻る


「それより合格ってなんで!?」

案の定矢張り理解出来ていない様で
俺に直様問い掛けてきた


「カカシにとっては貴方達が初の弟子達なの、今までの子達はどうにもカカシの性に合わなかったみたいでね」


「...ナマエの言う通り忍者は裏の裏を読むべし。忍者の世界でルールや掟を破る奴はクズ呼ばわりされる

...けどな!



仲間を大切にしない奴はそれ以上のクズだ」


かつての親友...いや、今だって。
親友の言葉を借り俺は重苦しい言葉を
この3人に教え込んだ

3人共共感してくれたのか笑を
浮かべる者も居れば尊敬の眼差しで
此方を見てくる者も居る

オビト...御前の言葉はほんのちょっと
した魔法に近いよ

御前の言葉には何から何でも救われてる







俺は簡単に明日の任務の内容を説明し
散の合図を出した


俺の背後に感じる気配


「ナマエか、どうした。サスケが待ちくたびれてるぞ?」

前方の岩陰を指差せば俺の予想は
的中し子供らしく小石を蹴るサスケの姿

「...うずまきナルトが例の九尾の子供だよね、あの子がカカシの班に降りてきたのは理解出来るかも」

「何だ、そんな事か。御前の予想通りだよ、多分な.サスケがこの班に居るのも何と無く判るだろ?」


皆無

夕暮れ時にこの空気はマッチした
だが、俺達には余りにも重たすぎる
この空間空気


「ねぇ、カカシ...サスケの事っ..」

「判ってる、俺に任せろ」


頭にポンと手を添え安堵感を与える

気持ちが落ち着いたのかチャクラの
流れが安定し表情も和やかになった


「姉さん、早く行くぞ」






「手の掛かるうちはにミョウジだこと」


殺風景に広がる演習場を後にし
瞬身の術でこの場を後にした



prev next




人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -