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 「迅さんおかえ・・えええええ!?」

 玉狛支部に帰れば、ちょうど帰るところだったらしい宇佐美とすれ違う。宇佐美は、迅の腕の中でぐったりするキリを見るなり慌てふためいた。

 「悪い宇佐美、今両手が塞がっててドアが開けられないから手伝ってくれないか? この子をおれの部屋まで運びたいんだ」

 「い、いいけど・・」

 そわそわとしつつ宇佐美は手荷物を置くと靴を脱ぐ。そのまま迅の部屋に向かう宇佐美を追いかけるように、半ば放り投げるように迅も靴を脱いで自室に向かう。
 もう日も傾いていることもあって、自室は少し暗くなっていた。一向に目を覚ます気配のないキリをそっとベッドの横たえる。

 「えーっと、その子についての説明は・・?」

 「んー、簡単に言うと幼馴染」

 「え・・? でも、確か随分前に近界民の世界に連れていかれたんじゃ・・?」

 その言葉に迅は少し嬉しそうに笑った。

 「そう、だからびっくりしたのなんのって。とりあえずボスに報告してくる」

 そう言えば、宇佐美はうなずいた。

 「アタシ、ついていようか?」

 「じゃ、頼む」



  
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