happybirthday dear AI 2013
早乙女事務所…ミーティングルーム。


「んー…」


テーブルに突っ伏して無駄にペン先だけが行き場もなくただ動いて、その先をただただ眺めながら頭をフル回転させていた。


「五線譜って遠くから見ると黒くは見えるけど、あんなに黒くはないよね?」


「お絵描きですね〜僕も仲間に入れてくださーい♪」


「おい、那月!っ!レンっ!!黙れ…怒りに触れるぞ。」


このミーティングルームに居るのは実は私だけではない。

私よりもスコアに描かれたペンの行方が気になるらしい後輩2人。そして空気の読める後輩が1人。



私がこんな状況に陥っているには理由がある。もちろん私を悩ませる事柄なんて藍ちゃんか音楽の事だけだ。

3月1日…大好きな恋人の誕生日は一人で過ごした。何故ならば藍ちゃんが誕生した日…毎月1回のラボでのメンテナンスなのだ。もちろん仕事の調整が難しければ前後するがソングロボの美風藍は事務所の最重要機密なのだ。メンテナンスが第一優先事項になるのは必然。


そんな訳で藍ちゃんがいつ帰って来るかもわからずだが、それよりもまず誕生日プレゼントが決まらない事に頭を悩ませていた。






「ねぇねぇ、男子諸君。誕生日プレゼントに貰って嬉しいものって何かなぁ?」


「んーこんな感じの質問をバレンタインデー付近でも聞かれたのかデジャブ!!」


「その節はありがとね。」


もう一人、役に立つのか立たないのか…嶺二が私の質問を完全に無視すると言う腹立たしい事態に遭遇した。
神宮寺君の彼女にも同じように質問をされたのだろう、神宮寺君だけが反応をし、那月も翔も私もハテナが頭の上に浮いていた。


「藍が喜ぶ物なんて難解すぎるだろ。」


「まだまだだなぁオチビちゃんは。彼氏が欲しいものなんて、彼女自身が一番に決まってるだろ。」


「いやぁ〜でもでもっ相手はあのアイアイだよ?」


「でしょ!?それに、藍に「私がプレゼント☆」何て言っても普段からやってるし、受け入れ拒否率の方が高いし、むしろ半日ほど無視と言う名の放置プレイ…誕生日当日じゃないにしても、誕生日プレゼントまでそんなの嫌ぁぁぁぁあ!!」


やはり世の常識よね、「私をプレゼント☆テヘペロ作戦」は。
だがそれがそうも行かない相手なのだ。むしろいつもやり過ぎて効果がないのが正答で間違いない。


「先輩に対して本当に失礼なのかもしれないけど、名前さんて本当に色んな意味で残念だよな。」


「藍ちゃんが要らないなら僕が〜「はいはい、シノミーこれ以上タブーな事を言ったら殴られそうだよ」」


どうせ残念だよ。
那月も那月で本気なのか何なのか謎だが、藍ちゃん以外に興味はないのだ。私の拳の震えを確認したのか神宮寺君が止めに入る。
すると嶺二が勢いよくハイハーイ!!と手を挙げて注目を集めた。


「でもちゃんと言えば伝わるかもよ〜?それに逆にアイアイ喜ぶ可能性もあるし?」


「レイジにしてはいい発言だね。」


「藍ちゃん!」


ドアの方から藍ちゃんの声がして振り向くとそこには確かに藍ちゃんが腕組みしてこちらを見ていた。


「でもさ、誕生日プレゼントで喜ばそうとする前に僕とのコラボ曲進めてないなんていい度胸だね。」


藍ちゃんが此方をチラりとみれば、何やらお怒りのご様子…怒ってる顔も大変美しく有らせられるが、綺麗過ぎて迫力は増すのだった。


「あー……んー。あはは」


「笑って誤魔化せると本気で思ってる訳じゃないよね?」


「しゅみまへ…あいしゃ、いひゃいいひゃい…」


藍ちゃんが近付いて、ギュッと頬っぺたを摘まんで横に引っ張る。痛い…かなり痛いです美風さん!!


「そーゆう訳だから、ボク達はこれで失礼するよ。あ、ショウ、ナツキは明日いいって言うまで課題は持って来ないでいいから。じゃ。」




私の荷物をまとめると、私の服の首根っこを掴んでズルズルと引っ張る藍ちゃん。私はされるがまま、ミーティングルームをあとにしたのだった。



「わぁお♪大胆〜」


「いや、むしろこの先エグい展開だろ。」


______________



「あの、藍ちゃん?」


「何?」


事務所を出て、そのままマンションへ戻る。空気柄、藍ちゃんの前に正座して、恐る恐る声をかける。


「曲の事なんだけど…」


「どーせ今やったって何にも浮かばないでしょ?」


「仰る通りでございますです。」


何でもお見通し過ぎて怖い…。仰る通り過ぎてそれ以上なにも言えずに顔を背けると、藍ちゃんがサラリと先ほどの事を口にした。


「だから、先にボクの誕生日に名前をプレゼントしてくれるんでしょ?」


「…大丈夫?ちゃんとラボ行った?」


「行ったに決まってるでしょ。そっちこそ頭大丈夫なの?」


「一応…何となくは。」


「は?」


「だって藍ちゃんがそんなこと言うなんて…さっきから怒ってるみたいだし。何が何だか…あ、やっぱり曲から考えるよ?」


いつも拒否、無視1000%の癖に今日は受け入れるなんて。呆気に取られてお互いにお互いの頭の心配をする始末だ。

やはりコラボ企画の曲を真面目に作るのが一番か…そう考えたが、藍ちゃんの顔が更に曇った。


「ボクがイライラしてる理由は別にそれじゃないよ。」


「へ?」


「名前はボクの彼女なんだから、複数の、しかもナツキとかレイジとかレイジとかレイジとか!!…そーゆう男と居られたら嫌な気分にもなるよ。」


「嶺二にどんだけ怨念あるの藍ちゃん…でも、何か嬉しい。」


藍ちゃんが嫉妬してくれてる…?
だが嫉妬よりも怨念を感じるのは気のせいではないが、やはり嬉しい。

ニヤついている私にタメ息混じりで「だから、ボクの誕生日に君が喜んでどーするの。」と私に近づいて頭を撫でた。


「ごめんごめん。藍ちゃん大好き!!」


「ちょっと…急に抱きつかないでよ、もう。」


そう言いながらも藍ちゃんはスッと私の背中に腕をまわし、応えてくれるのだった。





「ん…はぁ」


「は、名前ってキス好きだよね。」


どれだけ互いの吐息を感じているのだろうか。藍ちゃんは私の喜ぶ術は全てお見通しだ。
薄く開けた唇の間から藍ちゃんの舌が侵入してきて、私の唇を、舌を捕らえて絡ませていく。私もそれに応えるように舌を絡ませ藍ちゃんを求めた。その先を期待して…

閉じられた瞼を開けると、藍ちゃんと目が合ってドキっとした。
キスが好きなんじゃなくて、藍ちゃんとのキスが好きなんだ。


「藍ちゃんだから、好きなの。」


「知ってる。」


「意地悪…ぁ…はぁ」


「好きな癖に。」


意地悪く笑う藍ちゃん。一つ一つの仕草に、言葉に翻弄される。
藍ちゃんの綺麗な手が乱れた服の合間からスルリと入り、やわやわと胸の膨らみを刺激される。


「ん…ぁ、んん…ふぁ…ねぇ、」


「何?」


「藍ちゃんがして欲しい事言って?…何でもするから…」


流石に今日は藍ちゃんに甘やかされ過ぎて、折角の藍ちゃんの誕生日なのに私ばかりがいい思いをしている気になる。そう思い、聞いてみると「このままボクに任せてればいいよ…今日は名前の感じてる顔が見たい気分なんだ。」と優しく笑っていた。
今日の藍ちゃんズルい!!てゆか博士何かプログラム加えたり操作してるんじゃないのか!?

やんわりと優しい刺激に加えて、胸の突起をキュッキュと摘ままれ捻られる。


「ん…ひぁ…ぁ…」


「乳首気持ちいんだ?」


「ん、気持ちぃ…」


ピクリと反応しながらも本能で藍ちゃんの胸板へ手を伸ばし、シャツを捲って藍ちゃんの乳首に指を這わせる。すると藍ちゃんもピクリと反応を示して乳首が主張した。


「ぁ…、今日はじっとしてなよ。」


「だって…藍ちゃんにも、感じて…欲しいの」


藍ちゃんが乳首を弄る私の手を取り指先にキスをする。そして私を見つめると口角をあげて嬉しそうに笑った。


「奉仕好きの変態だからね、名前は。」


「も、やぁ…藍ちゃ…煽らないでよ」


私の乳首をコロコロと捏ねたり引っ張りながら刺激はとても優しいのに、言葉でも視線でも責め立てられているせいか欲望は増すばかりだった。


「ボクにされるがままなんだから、文句言わない。」


「ごめんなさ…でも、足りな…ぁん…」


「足りない?じゃぁこれは?」


足りないと催促すると、藍ちゃんがじっと此方を見ながらゆっくりと唇を乳首へ近付けて、わざと見せ付けるように舐めあげた。


「っ…ふぁぁっ」


「目、反らさないでこっち見て」


ブルりと全身が痺れたみたいで恥ずかしくなり、思わず顔を反らすと藍ちゃんが私にこの光景を見るように促した。
チュパリチュパリと突起を吸い上げられながら舌で転がされ、甘噛みされる。



「恥ずかし…はぁぁ…ぁ…ん、んんっ」


恥ずかしくされればされる程感じるように体が藍ちゃんに支配されている私。うっすらとその艶かしい光景を見ながら素直に反応させるのだった。




「いい顔…」


「あ、あぅ…はぁん…」


執拗に同じ所ばかり責められて、もどかしくて腰が揺れる。
下半身が疼いて、弄ってもらいたくて仕方がない。
すると藍ちゃんはそれに気付いて私の足を持ち上げ広げた。


「こっち、凄く濡れてる。」


下着はすでに下着の意味をなさない程濡れているのは自分でもわかっている。
指を這わされるとグチュリと音が響いて更に煽られる羞恥心。けれど刺激が足りない私は自ら腰を動かした。


「ひぁぁ…ぁ…ぁ、」


「濡れすぎ…」


弄りながら、藍ちゃんはスルリと器用に私の下着を脱がせた。そして直接濡れそぼったそこを触って、指を蜜ツボへ挿入させた。2本の指が、蜜を外へ掻きだされるように出し入れされて陰芽を親指で刺激される。

藍ちゃんは私の首筋に顔を埋めていたが、興奮しているのか熱い吐息が耳にかかって心地よかった。



「ひぁ…ぁ、あぁ、ん…も、や、イク…」


「もう?」


「ん、ん、イく…ぁん、あ、ぁ…イきたい、よぉ…」


「いいよ、イきなよ。」


与えられる刺激は全て気持ちがよくて、徐々に絶頂に導かれていった。
藍ちゃんにそれを伝えると少し楽しそうにされた。
私に快楽を与える時の藍ちゃんはゾクリとするほど綺麗で、色気があるから怖いくらいだ。




「あ、あぁ、ああ…イっちゃう!!ぁ…は、ぁ、イク!!イクゥゥゥゥはぁぁあ!!」


「潮まで噴いて…相当だね。」


「はぁ…はぁ、ごめ、なさ…ぁ、はぁ…」


引き抜いた手は私が吐き出した欲望で、藍ちゃんの指から滴る液体が床にも染みを作っていた。
乱れた息を整えながら、刺激の余韻で痺れた身体を落ち着かせようと大きく息を吸う。
しかし、急に覆いかぶさり足の間に割り入ってきた藍ちゃんがググっと体を重ねてきたのだった。



「ほら、本当に欲しいもの…コレでしょ?」



「ひぃっ、ぁぁあああ…おっき…」



咄嗟の事だったが、侵入された欲望は大きくて熱くて私の中でヒクヒクと存在を主張した。先程達したばかりの体には抵抗することも受け入れることも容易ではなく、ただ与えられるまま声をあげることしかできなかった。



「キツ…只でさえ締まりいいのに、潮噴いたら更にだね…」


「んぁぁ…オマ、コ…メリメリゆってる…ひぁぁ」


「痛い?」


「違…良すぎて、無理ぃ」


藍ちゃんもとてもキツそうに眉間に皺を寄せているけれど、グチュリグリュリと音を立てながらゆっくりと腰を動かす。


ねぇ、藍ちゃん。藍ちゃんから与えられる刺激で痛いことなんて、1回もないよ。どれも気持ちがよくてどうにかなってしまいそう…



「まだ入れただけだよ?ほら…ここも皮剥けて赤く充血してる…」


「はぅぅ…ひゃぁぁ、や、や、またイっちゃうからぁっ」



正常位の体勢で私を見下ろしながら、徐々に余裕のでてきた藍ちゃんが割れ目をグッと引っ張って淫芽を露わにさせた。
直接そこを擦されるとビリリと身体を弓なりにして反応した。また達してしまうことから逃れたいが、頭が真っ白になってきて思うようにならない。



「いっぱいイかせたいんだからこれでいいの。」



「ひぁ、あ、ぁ、ぁ、あぁん…きもひぃ…イクぅ…」



「いいよ…イきなよ。ボクが見ててあげる」



「イク、イク、イっちゃ…あぁぁぁぁっ!!」




ビクビクと身体を揺らして大きく何度も跳ねると、藍ちゃんがそれを静止させるように太ももを掴んで繋がりを保持させる。膣内がキューキューと収縮して、藍ちゃんの熱い肉棒を感じながら二度目の絶頂を迎えたのだった。



「名前の中…ぴくぴく動いたり凄く締まって気持ちい…はぁ」


藍ちゃんは私の中をゆっくりグラインドして動かしながら膣内を感じ、先程までギチギチとキツい中を入れていたそれがすでに奥まで侵入させていた。
コツコツと当たる最奥が気持ちがよくて一緒に腰を動かすと、藍ちゃんはニコリと笑ってお凸にキスを落とした。



「あ、あ、あ、奥当たる…」


「子宮の入口まで届いてるよ…ほら、これも好きでしょ?」


グッと腰を持ち上げると、藍ちゃんがガツガツと腰を激しく打ち付け始めた。肉の当たる音と、グチュグチュと粘着質な水音と、互いの吐息が混ざり合う。



「ひぃぃっ、はぅ…ひ、ああ、あん、あ…」




「ねぇ、そろそろボクもいい?」




「ん、はぁん…一緒がいい…」



抱き合いながら、今度は2人一緒に絶頂を迎えたのだった。



「ねぇ藍ちゃん。」


「何?」


ベッドに並んで横たわり、私は藍ちゃんをじっと見つめていた。
藍ちゃんはチラリとコチラを見ただけで、すぐに読んでいた雑誌に視線を戻した。



「あのね、お誕生日おめでとう。こうして出会えて、そばに居られて、私は凄く幸せ。藍ちゃんのお誕生日なのに、私の方が喜んでばかりだね。」


「…」



今の想いをちゃんと言葉にしてみた。じゃないと伝わらないことだってあるって思ったし、こんなにも頭を悩ませた結果、どんなプレゼントも思いつかなかったから。せめて伝えなければと思ったのだ。

藍ちゃんがが黙ってまた此方をみた。

今度はジッと見つめて何かを考えているようだった。「藍ちゃん?」と声を掛けると、藍ちゃんは雑誌を置いて、私の方へ体を向けた。







「ボクはアイドルになるために生まれたロボだし、月1のお決まりなメンテであまり誕生日を意識したことなかったから、名前がこうして喜んでくれるって言うのは不思議な気分だけど…不快ではないよ。むしろ心地いい。」



藍ちゃんはそう言って少し照れているようだった。



「藍ちゃん…、嬉しい!!」



そう言って想いきりダイブして抱きつくと、藍ちゃんはまたいつもの様に嫌そうにべりべりと私をはがそうとするのだった。



「ちょっと!!…あーもう、そうやってすぐに調子に乗るから嫌なんだよ。」



「えへへ…藍ちゃん大好き。生まれて来てくれてありがとう。」


Happy Birthday dear AI


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