除夜の鐘もなり終えて、深夜の番組を観ていた。
今年は実家にも帰らずマンションで過ごしていた。
するとガチャガチャと焦りのわかるカギを開ける音。
急いで玄関に向かうとドアが開いて、白くなる息を切らせているトキヤの姿がそこにあった。
「はぁ…はぁ…はぁ…っ名前…すみません…」
「トキヤ!?大丈夫?もうっ、ほっぺた冷たいじゃん。」
寒さで赤く染まったトキヤの頬を触ると凄く冷たくて…急いで会いに来てくれたのかなぁと思うと心配の反面嬉しくもある。
「ですが…はぁ…はぁ、一緒に、年越しできないならば…はぁ、はぁ…せめて、新年初めて名前に…直接言いたかったんです…」
「トキヤ…」
その気持ちだけで嬉しいのに。
「明けましておめでとうございます。名前今年もどうか、よろしくお願いします。」
「トキヤ…こちらこそ、今年もよろしくね。もうっ、手も冷たいよ?」
トキヤの手を取って握ると、手もとても冷たかった。
両手で包むようにトキヤの手を覆うと、トキヤはニコッと笑った。
「ふふ、貴女で暖めてください。」
トキヤが手を取り、私の手の甲に口付けした。
年が明けても相変わらず、トキヤのこの王子っぷりにキュンとしてしまう。
「もちろん。」
「来年は一緒に年越ししたいですね…」
トキヤを抱きしめて、冷えた身体に私の体温を分ける。
少しずつトキヤがポカポカしてきて安心…
「うん。トキヤ、今年も大好きだよ。」
「私も同じ思いですよ。昨年以上に愛することが目標です。」
Happy New Year 2013
(あ、やっぱりだめ!一緒に過ごせない。)
(な、何故です?)
(だって、来年も私の曲で紅白出て欲しいもん。あ、来年こそはカウントダウンライブかなぁ!!やるなら私も行きたいっ)
(ふふ、貴女と言う人は…敵いませんね。)