幸せの詰め合わせ
「嶺ちゃん、お誕生日おめでとう。。。はあぁ〜〜〜」


大きくため息を着いて、嶺二の部屋のベッドにダイブした。


「あ…嶺ちゃんの匂い…」


あーあ。折角の誕生日をきっかけに、いい雰囲気になれたらいいなぁなんて淡い期待をしていた私だけど。もう、誕生日終わっちゃうよ〜。

私と嶺ちゃんはただの幼馴染。だから私は芸能界の華々しいきらびやかな世界とはまったく縁がない。



「絶対スタッフの人と素敵なお店で洒落た料理と大きなケーキと美女に囲まれて楽しくやってるんだろうなぁ…」


「おいおい、そこの妄想女子〜〜〜」


聞きなれた声が耳に響いて振り返ろうとした瞬間、ギシッとベッドが軋んで私の上には大好きな嶺ちゃんのニコニコした顔が私を見下ろしていた。


「た〜だいま〜♪嶺ちゃん参上!」


「お、お帰りなさい…なんで…」


「そーゆう名前は、な〜んで僕ちんのベッドの上に寝転んでいるのかなぁ」


「いや…なんと、なく。ゴメン…」


ベッドから降りようと体を起こすとそのまますっぽり抱きしめられた。


「ん〜名前の匂い♪」


「え…あの…」


抱きしめられた腕が頭に回って後ろから髪を撫でられた。よ〜しよしと子供やペットでも扱うかのようだ…何だか腹が立つ。


「ちょっと!」


腕を振りほどくと、ドウドウと抑えるようで余計に腹が立った。



「あーあと、スタッフの人がパーティー開いてはくれたけど、美女には囲まれてませ〜ん」


「ちょっと!どっから聞いてたの!!!」


「あはは〜、まぁまぁいいじゃん!それより、これ、名前が準備してくれたんでしょ?」


そう、小さなケーキを1つと、ビールとおつまみ。大したものは用意できなかったけど、皆嶺ちゃんの好きなものを用意してみたつもりだった。



だけど…



「…いいよ、もうパーティーしてもらったんでしょ?」


「だーめ!名前とパーティーしたいから帰ってきたんだもーん」


「あ、ありがとう。」


「こちらこそ、ありがとー。大好きだよ、名前」





不意に嶺ちゃんの顔が近づいて、チュッと唇と唇が触れた。






「…ねぇ、名前。返事欲しいな。意外と真剣に恋心なんだけど、僕じゃあやっぱりダメ?」



少し照れた顔で覗き込む嶺ちゃん。私の大好きな嶺ちゃんの表情。


そのまま嶺ちゃんに抱きついて「ダメじゃないよ」って囁いた。






お誕生日、おめでとう。だぁい好き!


★Happy Birthday to Reiji★


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