失ったモノ(5+5'*FFV)

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*最終決戦あたり?だと思われる。
*内容的にBAD ENDものです。
*バッツも仲間達も救われません。
*この話は続きますが救済はありません。














バッツはフラフラしながら故郷のあった場所に一人来ていた。
今はエクスデスが無に還したことによって今は海と化していた。

無力だった、故郷の皆や他の街や古代図書館、ウォルスにタイクーン城を無は呑み込んだ。
エクスデスへの怨みは日に日に増していく一方で怨みを晴らす方法など知らない。
ただバッツはエクスデスとの因縁は生まれた瞬間に運命付られていたのだろう。父の遺言でもある世界を見て回れ……あの言葉はきっとこの時の、バッツの運命付られていた宿命だったのだろう。
父は別の世界の人間で暁の戦士と呼ばれた第二の世界ではとても有名な英雄だった。
しかし、暁の戦士ではエクスデスを倒せずに第一の世界……のちにバッツが生まれた故郷のクリスタルの力を借りて父達はエクスデスを封印した。父はその罪滅ぼしの為なのか第一の世界に一人残り、そしてバッツの母……ステラと結ばれてそして、バッツと言う子宝に恵まれた。
しかし、バッツの母ステラはバッツが生まれて三年後、持病の病で倒れてそのまま息を引き取ってから父が死ぬ三年前までずっとバッツは父と旅暮らしをしていた。

「なぁ、親父……ガラフを失って……今度は故郷を奪われて……俺の手に何もない……
ああ……これが恨み……憎しみなのか……?」

震える拳を強く握った。頭の中がエクスデスへの仇や復讐心で何も考えられなかった。
ただただ、エクスデスが憎い……殺してやる……そんな殺意ばかりが頭の中を占めていた。
全てを奪ってあの大樹の魔道士が憎くてたまらなくて、父の言葉を録に思い出せない。
すると魔力の気配がして振り返るとあの憎くて堪らない相手が此方へ来た。

「ファファファ……光の戦士が一人で何をしておる?
私が憎くて堪らないと顔に書いてあるな。」

エクスデスはまるで軽蔑するような言い方でバッツにそう言うとバッツは直ぐに頭に血が上った。
憎くて堪らない相手に軽蔑される言葉を言われて怒りが余計に込み上げてきたのだ。

「お前を今、此処でブッ殺してやる!!」
「人間は本当に愚か者ばかりだな。そんなちっぽけな復讐心や恨み、憎しみで私に勝てるとでも思っているのか?
ファファファ、余計に醜いなバッツ・クラウザー。」
「るっせー!!」

バッツは腰に掛けていたブレイブブレイドを鞘から抜いて、エクスデスに振りかざした。
エクスデスはバッツの攻撃を受け止めた後に吹き飛ばして、ソードを魔力の力で操ってバッツの攻撃を華麗に受け止める。
バッツはこのままでは防戦一歩になってしまうと今度は魔法を放ったがエクスデスは魔法で作った障壁のガードで攻撃を塞いだ。

「ファファファ、甘いな。憎しみの想いの力はそんな物か?」
「嘗めるな!ファイガ!」

バッツは直ぐに体勢を立て直して、再び魔法を放った。エクスデスは障壁でガードしたが煙で前も見えないうちにバッツは迫ってきて、ブレイブブレイドを振りかざしたが片手で受け止められてしまった。
バッツはエクスデスの手から剣を引き抜いて後ろに下がって構えた。その構えはエクスデスが見たことのある立ち筋と構えだった。

「なるほどな、お前はあの暁の戦士とか馬鹿げた"ドルガン"の子だな?」
「……親父の子だから何だよ?」
「その構えは父親譲り……ファファファ、父子揃って我との因縁が切れぬとは笑えるな。」
「っ!?何が笑えるんだよ!?親父達を馬鹿にしやがって……!」

バッツは構えから攻撃へ転じてくる。エクスデスはソードでバッツを突き刺そうとするがバッツはソードを受け流して再びエクスデスに迫る。
エクスデスは一瞬に驚いたがソードをバッツの背から迫るとバッツはその反対側の懐からもう一本の剣を引き抜いて、ソードを受け止めた。
クリスタルの加護より得た二刀流の力だった。

「チッ、クリスタルの加護かっ!小ざかしい!」
「だぁああーーーーっ!!!」

エクスデスは間一髪でガードをするがバッツは二刀流でガードを破壊しようと二刀流で斬りつけてくる。
エクスデスは少しだけ力を出した。魔力を一ヵ所に集中した。
バッツの周りからいきなり何かが囲った。
無の力だ……バッツはエクスデスのグランドクロスの攻撃に直撃して、瀕死状態になり地面に倒れた。
エクスデスはバッツに近づき

「フンッ、手加減しても、今の貴様では所詮その程度か。実にツマラン。」
「っ………!」

バッツは全身に伴う痛みに耐えていた。エクスデスはゴミを見るような声でバッツに片足を乗せて体重をかけるとバッツは痛みに吼えたが余りの痛みに声が出なかった。

「……っ!!った……っ!!?」
「人は痛みには勝てないとは……ファファファ、ずっとその痛みに悶え苦しむがいい」

エクスデスはバッツの首を掴んで、持ち上げて、思いっきり握りつぶすかのように首を絞めた。

「っ!!!?ーーーーーーア゙ア゙ア゙ア゙ア゙っ!?」
「ファファファ、憎いだろ?苦しいだろ?お前はその憎しみを抱いたまま死に身を委ねているがいいわ!」

バッツの目から涙が溢れていた。悔しい、苦しい、エクスデスを殺したい。
そのつもりに積もった想いが頭の中の全てを支配して、一気に想いが爆発した。

すると、いきなり心臓部分に宿していたクリスタルの欠片が怪しい光を放った。
流石のエクスデスも驚き、バッツを放してしまう。
バッツは地面に崩れ落ちて、四つん這いになっり心臓部分から溢れた闇に呑まれる。その闇が風にのって晴れていくと、現れたのが綺麗な青い目から血のように赤く染まる目に変わり、茶髪が銀髪に変わり、青色が特徴だった服が見たことの無い服装に変わり、モノクロになっていて……。
だが印象がまるで闇に染まった存在だった。

エクスデスはそんなバッツを見て思わず笑った。
面白い、クリスタルにそんな力を逆流させる程バッツがエクスデスへの恨みと憎しみの想いが光の戦士としてのベクトルを超えたのだ。

「ファファファ!!貴様は此処まで愚か者だったとは、バッツ・クラウザー!実に面白い!」
「………。」
「ファファファ、口では冷静になったつもりか?」

バッツはエクスデスへ魔法を放つが、先程まで放った魔法の威力や大きさが段違いだった。
エクスデスはなるほどなと思った。
バッツは自分を捨てて、エクスデスへの怨みを晴らすまでずっと戦い続ける憐れな傀儡と化したのだ。

「悪魔に全てを売ってまでも貴様は私を殺したいとでも言うのか?
ファファファ、その恨みを遂げたところで貴様は廃人になるだけだ。傀儡になった戦士よ。」
「………黙れ。」

バッツはエクスデスに剣を振りながら言った。エクスデスはガードをしながら磁場転移で場所を移動しながらバッツに究極魔法を連続で放つがバッツは魔法障壁を張りながら魔法を受け止めていた。先程の戦闘よりだいぶ落ち着いて対処していた。
エクスデスは力を加えたミールストームを放つがバッツはびくともせずに立っている。その力は完全に人を捨てた力だった。彼の周りには闇が守っていた。
バッツはエクスデスに向かって究極魔法を放つが桁違いだ。
障壁のガードが破壊される寸前に後ろから女三人の光の戦士達がやって来た。バッツはぴたりと攻撃の手を止めた。エクスデスも攻撃の手を止めて、四人を見ていた。
ファリス達はバッツの変貌ぶりに開いた口が閉じないがファリスが彼に状況を聞こうとするがバッツは三人を睨んだあとにエクスデスや仲間達にブレイブブレイドを向けた。

「エクスデスはおれが殺す。
もし、お前らがエクスデスを殺したら……おれがお前らを"殺してやる"。
"一生恨んでやる"」
「バッツどこ行くんだよ!?」
「バッツ!!」
「バッツーー!!!」

そう言った後にバッツは三人の声に聞く耳持たず、振り返る事もせずにその場から歩いて去ってしまった。
ファリス達がエクスデスを睨みながらバッツの状況を聞いてきた。

「ファファファ、あれはあ奴自身がああなった。
我に対しての恨みが光の戦士の戦士の役目のベクトルを超えた時にあの姿になった。」

そうエクスデスはけして、彼を闇へと唆してはない。死に委ねろとは言ったが闇に堕ちろとは一言も発してない。
バッツ自身が光の戦士の役目よりも恨みと憎しみが身と心……全てを支配してバッツ自身もその力……悪魔に手を染めた。
心と体を闇に染まり、人としての全てを捨てたその代わりにあの人を超えた壮絶な力を得た。
レナはエクスデスの言葉に、信じられないと言う顔をしていた。

「バッツが、お前への恨みと憎しみが降り積もった姿だと……?ありえない……」
「バッツ、……どうして………?」
「クルル………」

バッツが居なくなった光の戦士は既にエクスデスとの戦いする心の余裕もなかった。エクスデスはそんな三人に憐れだと同情のない心で思いながら

「……信じるも信じないも貴様等の勝手だがな。」

エクスデスはそう言って、磁場転移で泣き崩れる三人のその場から去ってしまった。



最初の部分に書いてあった通り、話は続きます。本当にバッツもみんな救われないです。
救済話はありません!
エクスデスはこんな時においしい役どころになる悪役(笑)

一部修正:2017.01.10




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