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「――え…どんなって、嬉しくて、幸せで、ずっと離れていた家族と再会できたみたいな…ううん、それよりもっとあたたかな気持ちだわ。愛おしい…そうね、愛おしいのだわ、きっと」

ゆっくりと言葉を探した鈴歌の答えを聞くと、ウルはふわりと微笑んだ。

「――同じ。“おれ”も、幸せ。…貴女の葛藤に“ウル”は気付いていました。それも何もかも、全て含めて、“ウル”は“リュリ”を慕っていたのですよ、リン」

途中からおどけたように変えられた声音に、はっと我に返った鈴歌もまた、鈴歌として返答する。

「――ありがとう、ウル・ライナ。…エトゥン ユル イスト(約束は守られました)、シオナ エンドゥス リピルメス(楔よ、終焉に解けよ)」





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