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ぼんやりと。

ただ、ぼんやりと、霞む。

僕は、何のために生きているんだろう。

何のために、生かされてしまったのだろう。

…争いや病、たくさんの人が、失いたくない命を亡くしているのに、僕みたいな人間が生かされている…

役立たずの僕が紡げるのは、欠けた旋律だけ――。

「ソラ…」

夢で見た鮮やかな人物の名をぽつりと呟けば、誰もいないはずの個室に、甘い声が反響した。

ふわり、と、橙色の長い髪が揺れる。
鮮やかな青のワンピースに身を包んだ女性が、そっと立っていた。



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