「――カナデ、おかえり」
あたたかな温度のその声に、瞳を見開く。
「…ソ…ラ?」
「待ってた、カナデのこと。ソラを助けてくれて…ありがとう、カナデ…」
包むように、そっと抱きしめられて――
瞬間、カナデは身体の違和感に首をかしげた。
「あ…れ…? 足が…」
動かそうとするとずきっと痛んだ…固定具が添えられ包帯が巻かれた左脚の痛みが、無い。
身体全体の、鈍い痛みも消えていた。
「――うん、もう動けるよ。ソラが、修復したから」
「…え?」
「ごめんなさい、痛かったよね…カナデ、ごめんなさい」
「…君は……これは、やっぱり夢…?」
「ううん、現実。カナデじゃなくてソラのほうが、ちょっと幻。ソラの現実は――」
微笑んだまま、ソラはゆっくり目を閉じて、息を吸って…吐いた。
刹那、ソラの背に鮮やかな青の両翼が、優雅に広がる――…
「…ソラは、審判の鳥だから」
穏やかに、ソラは言った。