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ハンカチを返すのに柳生君が居るだろうクラスへ向かう。
いや私もちょっと忘れかけてたけどね。でもジャムの着色料の色はちゃんと抜けたしアイロンかけたし、うん、大丈夫だよね。こういう時自分の家事スキルに大変助かる。ありがとうお父さん。たまにはYシャツは自分でアイロンかけてください。

ちなみに彼、柳生君のことはすぐにわかった。
女の子がテニス部の写真を持ってた中に柳生君が居て教えてもらったのだ。ついでにクラスも教えてもらいました。やったね。というか思わず感動してしまったけど部活してるテニス部の人達の中に幸村君とかも居てびっくりした。幸村君…テニス部なんだ…。写真だってちゃんと綺麗に取れててアイドルのブロマイドみたいだった。すごい。

というか、以前思ったたまごジャージは男テニのジャージだったらしい。
ということは結城君も真田君も柳生君もあの少年も、そして幸村君もテニス部ってわけで。テニス部なんという人気。なんという美形率。
でも結城君は何となくわかるけど、真田君とか柳生君とかがテニスって似合わな……いやいや、人を見た目で判断しちゃ駄目だよね。ごめんなさい。

とか考えてたら目的のクラスに辿り着いた。扉のところから中をちらりと覗くと

「…真田君だ」

真田君が机にむかっていた。
この間の帽子のイメージが強かったけど、どうやら教室では被っていないようだ。そりゃそうか。
でも見たところ次の時間の予習をしてる、どうしよう。見たところ柳生君は居ないみたいだし…出直そうかな、

「弦一郎に用事か?」
「ひいっ!」

突然かかった声にびくりと肩を跳ねさせて後ろを振り向くと柳君が涼しい顔で立っていた。
びっくりした!びっくりした!

「まるでお化けでも見たような反応だな。お前のクラスはここではないと記憶していたがどうした」
「や、柳君…いや、あの、柳生君を探してるんだけど居ないからどうしようかと…」
「告白か?」
「え?いやいやいや!何で!?」
「違ったか、それならいい。……弦一郎」

何が!?
一瞬笑った柳君が、あまりにも自然に真田君に声をかけるもんだから思わず扉に隠れてしまった。
まだ心の準備が!!

「む?蓮二、どうした」
「いや、椿が柳生に返したいものがあって探しているようなんだが、柳生を知らないか?」
「………えっ!」
「違ったか?」

いやいや合ってるけど!何故わかるんだよ柳君。なんなんだよ柳君。
思ったことをそのまま言えば柳君からは思わず感嘆の声が漏れる素晴らしい答えが返ってきた。
曰く、「告白でないとなれば伝言か何か渡すものがあると考えるのが普通で、私の手元には小さな紙袋が握られている。だとしたら柳生君と私の性格を考えるに、私が何かやらかして柳生君が何かを貸した可能性が一番高いのだ」と言う。
本当によくそこまで頭が回るものだよね。関心してしまう。
っていうか私の性格から私が何かやらかしてって…え、ちょっと!柳君の中の私ってなんなの!?





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