「つーか、なんだよその態度!また俺をバカにしてんのか?」


あいつらが休みになって一週間。こいつは懲りもせずに学校に来たが、巳束は消えた。いつの間にか、学校に「休学届」が提出されたらしい。


「バカにした態度?そりゃそっちだろうが。学校(ココ)に来んのに、なんでてめーの顔色伺わなきゃなんねーの?」


中学と同じように、相手にしない日ノ原に詰め寄れば蹴りを食らわされた。そして気になる言葉を残されながら。


 * * *



「は―――、ヒノハラもなかなか大変だな…」

アラタは、湯船に浸かれば学校での出来事に溜め息を漏らしていた。ミチヒノタマがポウっと光り、壁に天和国にいる革が映る。


「お!?ヒノハラ!!無事だったか!?」

「アラタ!!」

船体の帆に映るのはミチヒノタマから光り放った、アラタ。「ちょっと船酔い中…」っと答えれば、前の方から巳束が声を掛けてくる。


「革、船酔い治ったー?」

「うぉ!?巳束、タンマ!!」


酔い覚ましに夜風に当たるっと言って、船内から出た革に声を掛ければ止められる。「え?」っと口にすれば「船!?なんで!?」と言う、アラタの声が聞こえた。

「巳束、えっと本当にストップ。アラタが風呂入ってるんだよ」

「ん?俺がどおしたって??」

「いや、ややこしくなるから…そっちはどう?」

とりあえず「はーい」っと、言われた通りにアラタと会話している方には行かずその場に座った。
声は届いていたので、耳だけ傾ければ「おう!!今日学校で、カドワキっての一発倒しといてやったぜ!!」っと自慢げに喋るアラタの声が届いてきた。


(カドワキって、門脇のことだよね?)

「なー学校ってさー、」
「終わった…」


ドタッという音がすれば「お?どうした、ヒノハラ!?倒れるな、しっかりしろ!!」が聞こえ、思わず近寄れば「ミツカ、ヒノハラ平気か?」っと言うアラタと目が合ってしまう。


「革?……うわっ…アラタ、湯に潜ってえぇぇ!!!」



 * * *



見渡す限りの晴天で「…青い空!」ザ―――ンっと広がるのは「青い海!」一隻の甲板に、座るのは革とあたしだった。



「そして俺も超ブルー…」
「あたしも、ブルー」

隣で溜め息をつけば「なんかあったのか?」っと聞かれるので、首を横に振った。「大したことでは……ないよ。うん。革こそ、そう落ち込むことないって」と言ってみるが、革は肩を落としている。

「でもな…俺の身代わりなんだから、学校ではおとなしくしてて欲しくて…」

昨日の一件を引き摺る革に「しょうがないよ、アラタだから」っと口にすれば、ムッとした顔で睨まられる。
本気で睨んでいる訳じゃないから、それが少し可笑しくてクスッと笑えば「こら、巳束!!」とコツンっと殴られた。


「アラタ様、巳束さん、そろそろカナテさんたちと交代しないと…」

「船、動かすのに足でこぐとかマジでありえないんスけど!!」
「いやいや。若者よ、働かざるもの食うべからずってあるんだから、革がんばっ!!」
「お前、俺と同い年!」

コトハが交代っと呼びに来てくれたのは、小型の船の動力が自転車を漕ぐように手動であり、カナテとギンチが漕いでいるのでその交代のこと。
革に「巳束もだよっ」と、先ほどよりも少し強めに殴られ「痛ァ」と涙目になった。
「アラタ様、それはっ!!」と、コトハが心配をしてくれるが「大丈夫だよ…って、え?」っと言おうとするが、あたしたちは目の前の状況に固まってしまう。


「「「え゛―――――っっ!?」」」


バラッと船の木片やオールっといった部分が崩れ、海に落ちていってるのだ。


「やばい!!カナテ、ギンチ!!この船、壊れる!!」
「沈んじゃう!!とにかく、急いでーっ」


「なに!?」




(全部の木片が剥がれて、コレってボートになるんじゃ…)






束の間の休息

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