第2Q
先生に付いていき、案内されて見えてきたのは体育館。海常は、もともと運動が活発なので、やはり、並みの大きさではない。
『キャーー!!』
と、いきなり、体育館から黄色い声が聴こえた。吸い込まれる様に先生から離れ、体育館へと走りこむと、体育館内では、男子バスケ部が練習をしていた。
「っ………!」
あまりの凄さに、感嘆の声を出してしまう。鍛えられ、引き締まった選手たちの身体、個々の能力も、やはり高い。けど…
「どうだ?」
後ろから、武内先生が話しかけてくる。
「…はっきり言うと、すごいです…まだまだな所もありますが…でも……
…やっと、見つけた……」
その答えに、先生は柄にもなく微笑み、
「さぁ、行くぞ。」
そう言われ、私は先生に続き、体育館の中へと入っていった。
* * * * * * * * *
「まあ、座ってくれ。」
そう言われ、近くのソファーに腰を掛ける。ここは、部室……ではないか。多分、ミーティング室か何かだろう。
そして、部屋を見回していると
ガチャ
ドアが開く音がした。見てみると、そこにはさっき体育館で見た、部員がいた。先程まで練習していたからだろうか、汗の量が凄い。けれど、練習着なので、筋肉の付き方は分かりやすい
小柄だが、表情は凛々しいし、いかにも『キャプテン』という感じた。
そんなことを思っていると、後から、
「笠松、何かあったのか……?あ、君は!!」
「主将オ(レ)何かしましm☆@$◇◎」
「笠松、何かあったのか?あれ、」
「…、失礼します。」
「笠松先輩〜どこ行くんスか?って、あれ。」
後から、普通で言うとイケメンの人、早口過ぎて、何言ってるか解らない人、大人しそうな、がたいの良い人、無口そうなメガネの人。そして…
私が探していた、本当の人。
「……よし、全員揃ったな。」
はい、と主将らし先輩が言う。
「…紹介しよう。」
と、私を前に出す先生…、否、監督、か。
「今日から、この部のコーチ兼マネージャーになった、林道歩莉だ。ちなみに、担当は一軍及びレギュラー・スタメンだ。今後、練習メニューの変更があると思うが、それに従うように。」
「初めまして、林道歩莉です。今後共々、宜しくお願いします。」
さあ、始めようか。
私の『目的』を、果たすために。
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