第1Q
清々しい、雲一つない快晴の日。
海常高校に見知らぬ人影が居た。
「なぁ、あれってもしかして…」
「あれって……」
「うっそ本物!?」
「何でこんなところに居るんだろ……」
「海常の制服着てない!?」
「もしかして、転校してくるとか…!!」
「足細っ」
「顔ちっちゃ!!」
「可愛〜」
「美人だわ〜」
サラサラの金糸を靡かせながら、周りから明らかに聞こえる声で囁かれている少女は、とても不機嫌だった。
「……。」
注目されるのは仕事で慣れているが、騒がれるのは、あまり好きではなかった。聞こえる声量でコソコソ話しているなら大声で話せばいいのに、と思うが、それは置いておいて。
「…久しぶりだな。#林道#。」
突然背後から声がしたので、振り替えって見ると、そこには太った中年の男性が立っていた。
いやまて、誰だこの人。私は先程校長先生と話をして、武内さんが迎えにくるから、ろ言われた。
武内さん。それは、元々男子バスケットボールの代表だった人だ。私も昔、彼らとは何度か話したし、現に今も話をしたりする人はいる。
けど…けど…!!この人が、あの武内さん??こんな人だったっけ?いや、っていうか、この体型でバスケは無理だと思うし、やっぱり人違い?でも、私の名前は知ってたし、もしかしたら、もしかしたら…
「…あ、貴方、が、武内先生ですか?」
「ああ。」
ああ、人って変わるんだな。と、実感しました。(後日談)
「お、お久しぶりです。」
「ああ…あんなガキがここまでデカくなるとはな。」
「まぁ、人間、成長は早いですよ。武内さんも変わられて…」
「……」
「…すみません。…お話は、校長先生から聞いています。これからまた、お世話になります。」
「ああ。大丈夫か?久しぶりなんだろう、バスケに触れるのは。」
「まあ、はい。けど多分大丈夫ですよ。」
「多分じゃ、この部ではやっていけんぞ。」
「心外ですね、これでも、覚悟を決めてきたのですが。」
「…今、部内は少し荒れていてな。」
「…あれですか?誠凜…でしたっけ。その高校に、調整試合で負けた、と聞いていますが。」
「フンっあんな奴ら、すぐに潰してやる。」
少し、いや多分本気で怒っている先生。それはそうか。
全国レベルのこの学校…さらに、キセキの世代加入でさらに強豪となった高校が、無名の高校に負けるなんて、ね。でも確かあそこには…
「…どうかしたか?」
「あ、いえ。別に…」
「緊張してんのか?」
「…まあ、少しです。覚悟は、してきたつもりなので。」
「…そうか……。いいか、#林道#。お前が来てくれたのは、わしは正直言うと嬉しかった。」
「え……」
意外、だ。少し気恥ずかしそうに言う先生。私も、そんなことを思いながら、懐かしいな、と思った。
「…わしに付いて来い。案内する。」
「…はい!」
そうして私たちは、歩き出した。
*おまけ*
「そういえば先生、まさこさんとはどうなったんですか?」
「うっ…」
「そういえば、カゲさんも結婚したんですよね。たしか娘さんは先輩だったような…」
「…。」
ああああああ、すみません!黄瀬くん登場しないんです(-_-;)
次回は出ますよ!たぶん!!
夢主ちゃんは、もと日本代表の人たちとかには、心開いてます。
うん、次からはちゃんと設定通りにしよう!!
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