小説 | ナノ
挑発的上司
机のスタンドライトだけが灯っている薄暗い部屋。
後数分で翌日になろうとしている時計を横眼で見て、机の上にある資料を真剣に読んでいる上司の横顔を伺う。
資料には昔の事件の記事や、人物の詳細が載っている。
それらの文字を深く蒼い瞳が捕らえる。その姿がとても綺麗で、ついつい見とれてしまう。
「…ユースタス屋」
「ん、あぁ、なんだ?」
「悪いがコーヒーを入れてくれねぇか」
「ん」
俺は席を立ち、コーヒーを入れに行く。
コーヒーメーカーからポットを撮り、アイツ専用のカップに注ぐ。そしてそれを目の前に差し出すとサンキュ、と一言いって口に含む。
コイツは俺の上司、トラファルガー・ロー。
医大をトップで卒業し、一発で刑事試験をパスした天才若手刑事だ。
俺はその部下、ユースタス・キッド。
高校を卒業して警察学校に入り、ようやく刑事部の雑用まで上ってこれた。
そして何故かこの上司に気に入られて部下になり、現在に至る。
今捜査している事件は轢き逃げ事件。
だがただの轢き逃げ事件じゃなく、過去の事件が関連しているとトラファルガーは踏み、こうして深夜の資料庫に残っているわけだ。
あと・・・、俺とこいつはただの上司と部下という関係だけではなく・・・
「ん、どうしたユースタス屋?」
「い、いや、なんでも」
「なんでもねぇとは言わせねぇぜ?さっきからずっと俺のこと見てたろ」
「う゛」
「図星かよ。やーらしーやつ」
「う、うっせ!」
顔中に血が集まってくるのが分かるぐらい一気に顔が熱くなった。
その顔を一生懸命隠そうとするが、やつの手がそれを阻止する。
「ユースタス屋かわいー」
「おちょくんじゃねぇ!」
「そんな顔して、構ってもらいたいのか?」
「…」
「…黙んなよ」
「…うっせー」
「この事件が終わったら…な?」
「ん…」
そう、俺とコイツは所謂”恋人”ってやつだ。
今の会話で勘違いされてるかもしれねぇけど、俺がタチだかんな!
普段はアイツのがちょっと強気だけど、ベッドの上じゃめちゃくちゃ可愛いんだからな!!
って、俺は何が言いたいんだよ…。
と、俺が勝手に脳内自滅しているとトラファルガーが資料のなかから何かを見つけたらしく、ページをめくる手が止まる。
そして俺の方を向き、いつもの不敵な笑みをする。
「トラファルガー」
「あぁ、見つけたぜ。この事件、もう俺のなかでは終演を迎えたな」
「つーことは…」
「明日、犯人を捕まえに行くぞ」
「あぁ!」
「と、いうことで…」
「おわっ!?…ん」
いきなりトラファルガーは俺を床へ押し倒しキスをする。
何度も何度も舌を絡め、最後に俺の下唇を自分のそれで挟んで軽いリップ音を立てて離れた。
「さ、約束通り構ってやるよ」
そう言って挑発的に笑うトラファルガー。
「その言葉、後悔させてやるよ」
俺も我慢の限界だしな。
手加減なんて、しねぇから覚悟しろよ?
挑発的上司
(バカ!足腰立たなくなったじゃねぇか!)
(お前が誘うからいけないんだよ!)
+++END+++
はい!
今回私の趣味で刑事パロやらせてもらいました!!
ま、まぁ、刑事っぽいとこが一個もないんですけどね…OT2
なんか部下キッドさん×上司ローさんが書きたくて…こんな風に…。
何コレ。ホントに山なし落ちなし意味なしだよ…!
次回(あるかどうか分かんないけど)はちゃんとまとまった刑事パロを書きたいです…!
では、ここまでお付き合いくださり誠に有難うございました!
霧咲
(2011.4.4)
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