Freeze | ナノ


▼ IF<もしもナミの代わりにツナが出場していたら>

 なすすべもなくナミに出場枠を押し付けられたツナは、島1周妨害ボートレース「ドーナツレース」に出場することになった。

「まずは麦わらチーム! 戦闘員(?)ツナ! 狙撃手ウソップ! 考古学者ロビン1 乗り込むボートは『タルタイガー号』!」

 司会のイトミミズのアナウンスが響き渡る。

「これ、沈んだりしないよね……?」
「だからおれは船大工じゃねェんだよ!!」
「きっと沈むわ」

 不安げなツナに返事をするウソップ、それからさらりと不吉なことを言ってのけるロビン。その背後では野次が飛んでいる。

「さァそしてフォクシーチームの代表は我らのアイドルポルチェちゃん! 率いるはカジキの魚人カポーティ! ホシザメのモンダ! 乗るボートは『キューティーワゴン号』〜〜!!」

 アナウンスに応じてわああ、と歓声が上がる。

「魚人!?(そんなのいるのー!?)う゛お゛ぉい、しかもサメ!? 魚!?」

 鮫繋がりで反射的にスクアーロが入りつつ声を上げるツナ。

「いやん! 魚がダメだというルールわないわ!!」
「さァ両チームスタートラインへ!!」
「沈めてあげる」
「ひぃっ!」

 その後ルール説明を経て、ようやく開始だ。

「勝たなきゃ」
「相手を沈めてもいいのよね」
「おお頼もしいな」
「いやん、無茶な事言ってるわ」
「言うのは自由だぜポルチェちゃん。3分で沈めてやる! なァモンダ!」
「シャ──!」
「さて受け取れ。迷子防止の永久指針(エターナルポース)」
「迷子?」

 ツナは首を傾げ、ロビンが降ってきたそれをキャッチする。

「せいぜい島から離れすぎないようにお気をつけて。幸運を祈るよ!!」
「離れる? 何でそんな遠回り?」
「いーや、それがそうもいかねェ」
「位置について」
「どうして?」
「スタートと同時に島から離れるべきだ!!」
「レディ〜〜〜〜〜イ」
「なんで!?」

 にやりとフォクシーが笑う。

 パァァ・・ン!!!
「ド──ナツ!!!」

 そしてレースが始まった。

「両組一斉にスタート!!──と同時にフォクシー海賊団お邪魔攻撃!!」
「!!?」
「タルタイガー吹き飛び出足リードはキューティーワゴン!!」
「ひぃっ! は、反則だよ! 部外者の攻撃なんて!」
「たたたた、立て直せ、沈んじまう!」

 次々と襲い掛かる砲弾や岩。キューティーワゴン号は先に進む。
 しかし、キレたサンジ(ロビンちゃんに何しとんじゃコラァァ!!)がお邪魔軍団を蹴り飛ばす。

「よし追い上げるぞ!! だいぶ先を行かれてる」
「早くあいつらから離れなきゃ!」

 そこにカポーティの魚人空手が襲い、ボートが欠けた。ウソップの攻撃は効かなかったが、ロビンによってカポーティはひっくり返され、モンダと頭同士をぶつける。
 島ではフォクシーとハンバーグが移動を始めるが、誰も気づかない。

「漕げ漕げ!!」
「カポーティ、モンダしっかり」

 先を行くのはキューティーワゴン号だ。

「見ろ! 風貝(ブレスダイヤル)=I」
「もしかして風を起こせる道具!?」

 ババババ・・・・  のろのろ……

「「「……」」」
「遅いよ! 漕いだ方が速い!」

 ツナはせっせと、ロビンは読書しながら漕いでいる。突っ込みたいが漕いでくれているのだから言うに言えない。

「? ウソップ何を……」
「実験」

 船の後ろにのり出してで何かをしているウソップ。
 一方でカポーティとモンダが復活。

 ボォン!
「ん?」

「うわぁっ!!」
「あああああああああ!!」

 ズバァン!!

「な!!」
「何あのスピード!!」

 タルタイガー号はキューティーワゴン号を追い抜き、少しして止まった。

「い、今のは……?」
「驚いた。敵を抜いたわ」
「ハー……ハー……、イ……衝撃貝(インパクトダイアル)=v
「!」

 衝撃の余波でビリビリする腕につけた貝を見せる。

「撃つだけでこんなに衝撃がくるとは……」
「……!」
「あ! 早く漕がなきゃ今のが台無しに!!」
「モンダ抜き返すのよ!」
「シャー!!」

 しかしあっさりと抜かされる。
 その後ロビンが腕を連ねて敵船の縁をがっちり掴んでいたのだがすぐにばれてしまった(その際腕を斬ろうと大きく刀を振り下ろしたカポーティは海に落ちた)。
 そして戦いに発展するかと思いきや、コースの難関ロングサンゴ礁£n帯が見え、戦いは中断。その奥にはロング岬(ケープ)≠ニそこに渦巻くロング渦(リング)≠ェあると言う。
 そこに現れたフォクシーとハンバーグ。

「悪い事考えたぜ」

「ちょっと待って」

 漕ぐのを止めて言うツナ。

「おいツナ。どうした、漕げよ」

 タルタイガー号は減速、そのスキにキューティーワゴン号はドンドン先へ行く。しかし、逆流して戻ってきた。

「いやーん!!」
「戻ってきた!!」

 そして再び突入を試みるが、やはり戻ってくる。

「また戻ってきた」
「……、行こう」

 ツナ達も漕ぎ出し、2船同時に突入。

「え!!」

 ロビンが声を上げたのは、フォクシーが煙幕を放ったからだ。

「きっと、大丈夫だよ」

 ツナが言った。

 ズバァン!!!

「おお!?」
「抜けた――!! いともた易く!! 何事だ!? 更に!! タルタイガー号後のサンゴをスイスイ抜けていくよ〜〜!! 一方キューティーワゴンまた押し戻される〜〜!!」
「勝手に進む!! 何が起きてんだ!?」
「良かった、上手くいった」

(ツナ、すごいわ。あれは海流の迷路ね……入口さえ見極めれば海流が勝手に船を運んでくれるわ)

「けれども喜びも束の間!! サンゴを抜ければロング渦(リング)=I!!」
「何コレ――ッ!?」
「ロング≠チて下にもロングじゃねェかァ!! ギャ〜〜〜!!!」
「やるしかないか……」
「ツナ?」

 手袋をはめるツナ。そして死ぬ気丸を飲み込んだ。

「「「!!!」」」
「ロビン、オレと船を繋いでいてくれ」
「ええ、分かったわ」
「ギャ〜〜〜!! ツ、ツナが燃えたぁぁぁぁ!!!」

 ウソップを気にせず、ロビンの腕が船から生え、ツナを掴んだのを確認すると、ツナは炎で飛んだ。

「なんだこれは!! タルタイガー号が飛んでいる!! 戦闘員ツナ、彼もまた能力者だったのか――!!?」
「船につかまっていろ」
「しかも態度が豹変!! おおっと、タルタイガー号、あっという間にロング渦≠ニその先のロング岬≠熹び越えた!!」

 ザブゥン!

「着水!! タルタイガー号なんと予想だにしない奇跡の大幅リ〜〜ド!!! 大逆転!! 無敵のキューティーワゴン敗れてしまうのか!!」

 キューティーワゴン号はサンゴを折って進み始め、タルタイガー号はツナが船の後ろで炎を使い、その推進力で進んでいる。

「!」
「コース指示か」

 →ドーナツレース右へ、という看板が立っていた。

「ぶざけるな!」

 バキッ! と殴り折った。

「何と!! 破れた!! オヤビンの十八番『ウソ指示大作戦』! これは手強い!! この世の全てを信じない男なのか!?」
「うるさいぞお前。黙っていろ」
「口も悪い!!」

 タルタイガー号は空高く打ち上がるロング打ち寄せ波≠クリア。

「三度襲うオヤビンの魔の手!!」
「おばーちゃん、オヤビ……おばーちゃーん」
「ああ……あたしゃもうダメかもよ。あァそこ行く船の方々、助けてくれませんか」

 老女の格好をしたフォクシーとみすぼらしい恰好で泣く演技のハンバーグ。

「完全に無視!! 血も涙もない男!! ツナ!!」
「うるさい。黙れと言ったはずだ」
「口も悪い!!」

「見ろ! ゴールだ!!」
「勝敗まであとわずか!!」

 バキッ!

「いいかげんにしろ! うっとおしい!」

 再び炸裂するツナのパンチ。

「見破られた!! 『ウソゴール大作戦』までもが!! 手強い! 手強すぎる!」
「本物のゴールも近いはずだ」
「ええ、そうね」
「ここで彼に問いたい。信じる心≠チて……何ですか?」
「いい加減吹き飛ばすぞ(イラッ)」
「すでに外道!!」

 ロング竹林岬≠通り過ぎ、本物のゴールはすぐそこだ。まだ距離があるとはいえ、徐々に追いついてきたキューティーワゴン号。

「よし! 逃げ切れるぞ!」
「ああ! いける!」

「おい!! おめェら!! てこずらせてくれたな!!」
「またあいつか」

 フォクシーを見るツナ。そして何かを呟き、立ち上がる。

「ノロノロ=v
「ツナ?」
「ビー「X BURNER(イクス バーナー)=v
ぶべらぱっ!!!」
「「「Σオヤビーン!!!」」」

 親切にも威力を調節して下げたツナのX BURNERによって妨害を行う前に吹き飛ぶフォクシー。

「勝者!! タルタイガー号!!!」

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