シェル=シール―無彩のレリオス―
用語集

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最終話終了後 漢名ソート


じゃんぷ     な は  や ら わ

アンドロイド

 天恵の魔石(後述)を動力源に作り出された人型の機械。中には人型から程遠いものも存在しており、値段はピンからキリまで様々。現在の人間社会に大いに貢献する反面、天恵の魔石の奪い合いを加速させた一端も持つ。
 アンドロイドには役割や製造タイプによって型が示されており、以下がその分類の一部である。
・戦闘型(ウォリアー)
 戦闘型と記されるとおり、戦争地区や旅人の護衛などに活躍するタイプのアンドロイド。主に武器を用いる近接戦闘や、弾丸を発射するなどの中距離戦闘を得意とするものが多い。
・従者型(スレーヴ)
 奴隷型とも称される、主人(買主)の言いつけだけを守るアンドロイド。戦闘能力などはほとんどないが、政治家の中には戦闘型を従者型として使用する事もある。危険を伴う労働を人間の代わりにやる、教育指導や介護、ほかのアンドロイドの製造に携わるなど、幅広い用途で用いられている。
・警備型(パトローナー)
 指定された区間の不審者、不審物、不審動物排除を目的とされているアンドロイド。立ち入り禁止区画の警備も担当しているほか、街の騒動を鎮静化する役目も担うおまわりさんアンドロイド。
 実はスタの警備型は型が古いせいで頭があまりよろしくない。
・魔術戦闘型(マギスティックウェポナー)
 戦闘型と同じく戦争地区や護衛などに活躍するアンドロイド。戦闘方法が天恵魔術(後述)に頼ったものとなるため、この名が別につけられている。主に補助となる天恵魔術を多く習得する傾向にある。

隕石(ユパク)

 六百年以上前に地上に落ちた隕石。現在のスタ(後述)に程近い場所にあり、周辺に湖やクレーターなどを形成した。また当時の世界には存在していなかった魔力を持っており、隕石の欠片を天恵の魔石(後述)として採取。魔術やアンドロイド(前述)に応用されるようになる。

エレメンツ・ハールツMW―ST五二一六三(52163)

 感情を多彩に表現し、また感情や思考を学習し成長していくアンドロイドの型式がエレメンツ・ハールツ。MWは前述したアンドロイドのタイプ(この場合は魔術戦闘型)を示しており、大抵頭文字二文字ほどで表される。STは製造した都市。後ろの五桁の番号は製造番号となっている。因みにこれはウィシアの製造番号。

隠れ猫(キャッツアイ)

 獣人のヴィオス族(後述)でのみ構成された国際の密偵団。名前に反して実際の活動はそんなに隠れていない(表立って目立ちまくり)。主に国際法に反する動きを見せた地域や人物などの監視を行い、必要とあらば暗殺まで行う世界の目の役割を担っている。ルフがここの一員。

擬似生命型(ホムンクルス)

 アンドロイドの型の中でも、完全に機械で製造された体の中に人間に近い思考を持つ機体の事を擬似生命型と呼んでいる。中には生身の人間に近い肌を培養し、移植されたアンドロイドもおり、そういった生命に近しい部分を持ち合わせた機体を指す。国際規定は存在していないが、隠れ猫(前述)が目を光らせている対象でもあると言われている。

義勇団(ブレイバル)

 スタ(後述)の治世に反発している自警団の中でも、抵抗組織(レジスタンス)的な活動をしている集団。密偵としての活動を行って政治を行う貴族らの動向を探る者や、戦闘訓練を積む者なども集っていると言われている。十年前に解体されたが、現在も生き残りが数多く潜んでいるとされている。

キラー・ワスプ

 巨大じか蜂。隕石(前述)が落下した後に魔力の影響を受けて異常発達した蜂で、動物を殺して卵を産みつける習性を持つ。人間大なら平気で襲ってくるため要注意。フギュレという木の花の花粉が大好物。コリスズメ(後述)の最大の天敵とも言われている。

月影閃(ナイトブライト)

 セシリア・レーゲンとベルタ・レーゲンの親子が得意とする輪の形をした巨大な輪刀。両手で取っ手を持ち、振り回したり投げ飛ばしたりして攻撃するらしい。名工の品で、セシリアの持ち物。ルフ曰く別名「死刑台」。

幻品(ロスフォート)

 最果ての要塞(後述)と呼ばれている国で生産されている、天恵の魔石を使わずに生み出された魔法の品。どういった製造工程なのかは現地の限られた人々しか知りえないため謎に包まれている。また入手経路も限られている上、秘密裏であると言われているせいで所有者は極一握りだという。

コリスズメ

 お利口スズメとも呼ばれる、世話好きで人懐っこいスズメ。手の平に乗せられるほど小さく、羽の手入れを欠かさないおしゃれさん。茶色の羽毛で腹部は白。メスは頭と尾羽が薄ピンクの色合いをしている。フギュレの木の花粉や樹液が大好き。人間の髪の毛や服が乱れているのを見ると、頭に止まってせっせと直そうとしてくれる。また樹液が大好物なので、与えるとすぐ懐いてくれる。ペットとして大人気のスズメ。

最果ての要塞(ロスト・フォーティフィード)

 隕石(前述)の落下の際、一番被害を受けなかった国。都市全体が要塞の役割を持っており、独自の文化と技術を継承し続けてきた。天恵の魔石(後述)に頼らない魔法の品を生み出し続けている謎の国。

シェル=シール

 この世界の名称。その意味を知る者は少なく、隕石落下当時の魔術師の家系の者が代々伝えているといわれている。

獣人族(ヴィオス)

 猫から人間に、人間から猫に変身するヴィオス族を代表とした獣人達の総称。世界各地に少数部族から大種族となりえたものまで数多く存在している。ルフがこのヴィオス族の一員。
 獣人族のほとんどは隕石(前述)の落下時生き延び、魔力を受けて突然変異した動物の末裔で、その影響か人間のように天恵の魔石(後述)を使わなくても天恵魔術(後述)を使えるという。また、中には天恵の魔石の側にいると天恵魔術や変身能力が使えないという特徴を持つ種族も存在している。

スタ

 本作品舞台の都市。隕石(前述)の落下地点に程近い場所に作られた工業都市で、天恵の魔石(後述)を主とした生産業を発達させてきた。十年前の内紛が影響し、現在はアンドロイドが取り仕切る街に一変。人が寄り付かず、アンドロイドが交易に訪れる街へと様変わりしている。

製造主(アルケミスト)

 アンドロイドの製造・開発者の事。アンドロイドの所有権も持ち合わせており、また修理もできるだけの資格を持っている。販売したアンドロイドが買われた場合、そのアンドロイドの最大所有権は買主に移行されるが、二番目に所有権を保有するのは製造主となっている。

探索眼(サーチアイ)

 アンドロイドが持つ、様々な探索用視野の事。魔力を感じ取ったり、熱による赤外線を用いるなど、アンドロイドによって搭載される機能は様々。探索眼を持っていないアンドロイドもいる。

天恵の魔石(ヘブレス)

 隕石(前述)の欠片とも言われる、高濃度の魔力の結晶。やや暗めの紫色をしている。純度によって青、黄色、白の光を内部から放ち、同じ色合いの結晶は大きさによって魔力量を見分ける事ができる。天恵魔術(後述)やアンドロイドの動力源に用いられている。

天恵魔術(ユパク・ヘブル)

 天恵の魔石(前述)によりもたらされた力の一つで、魔力と詠唱、刻印と呼ばれる紋章を用いて発動させる事ができる。日常生活に使えるような簡単なものから、戦闘に使われるものまで幅広く存在。今作中に登場した名称のある天恵魔術は以下の通り。
光の錯視法(アルティネイト・リュージョン)
 術の対象に幻影を纏わせ、隠す補助系魔術。主に結界の魔術を構成する物品を隠す事に用いられやすい。
束縛の宴(ヴァンディ・ソング)
 聞いた者の動きを封じる効力を持つ補助系魔術。音を利用している分、術者は効力を求める限り詠唱を続けなくてはいけない。息継ぎを行う以外の呼吸が取れない分、アンドロイド、それも警備型(前述)が使用するほうが多い。
戦の刻印(ウォー・シール)
 武器の威力を高める補助系魔術。後述する瞬絶の閃きより断然効力が薄いも、包丁でまな板を切り捨てられる程度には上がる。
シェイントの結法則(エディア・エリア)
 古来から存在している結界の補助系魔術。とても効力で、五つの頂を用いた陣を利用し、結界を構成する。侵入を許さず強固な結界だが、頂のうち一つは結界の外部に設置する必要があるため、そこを突かれるととても脆い結界。
戯れの雷印(スパーク・カキア)
 電撃を放つ攻撃系魔術。第8章にてアルセが使用。アンドロイドの中でも回路の周辺を絶縁体で覆っていない機体に特に有効。結構痺れる。心臓に難のある人は要注意。
瞬絶の閃き(テル・シャイン)
 武器の威力を高め、魔力を纏った剣圧を放つ事も可能な高度な補助系魔術。詠唱が極端に短い分威力の調整が難しい。第7章にてアルセが使用。

無彩の街(グレイダ)

 スタ(前述)の別称。モノトーン調の色彩を主とした町並みや、人々の感情がほぼない状態から、外国よりつけられた。住民もこの呼称を使用しているほど。

フギュレ

 小さな黄色い花をつける広葉樹。大体初夏頃に開花。相当臭いがきつく、寄り付く動物が少ないのが特徴(コリスズメやキラー・ワスプなどは嗅覚より蜜を吸うほうが大事なのであまり気にしていない)。元々の原生地は温暖地域で、スタには薬に用いられる樹液と外敵から身を守る事を目的として植林された。花粉の臭いを直接嗅がなければそれほど臭くはないが、香水などに用いられる事はまずない。

魔化(エヴィルディオン)

 体を天恵の魔石(前述)に侵食される現象の事。天恵の魔石を体内に取り入れる事で起こるといわれており、この実験を禁止するため設けられた国際法が存在するほど危険な現象。放置せずとも体を侵食し、最終的には全身を魔石に変えてしまう。この実験を見張るため、隠れ猫(後述)が組織されたとも言われている。

魔工技師(ガラジスタ)

 製造主(前述)と同じくアンドロイドの生産、修理、解体に関わる技師の事。その中でも、対象のアンドロイドを生産していない、第三者の技師の事や、アンドロイドの生産に直接関わらない技師の事をさす。
 暴走するアンドロイドを沈める役割も担っている事があり、連携を取るために組合も設けられている。

魔工都市(ヘブレス・マインクトリア)

 天恵の魔石(前述)や天恵魔術(前述)などを用いて成長した、一大工業都市に送られる名。アンドロイドの生産や技術に優れており、また研究も盛んな都市が多い。ジェイド国のほぼ全ての都市がこの魔工都市であると言われている。

魔術師(マギスティア)

 天恵魔術(前述)を操る術師の称号。一般人でも天恵魔術を操る事は可能だが、ある程度以上の魔術を習熟するとなると生半可な知識や経験では危険なものもある。そういった魔術を習得した者達に送られる、名誉ある称号とも言える。

魔的人工生命体(マギスティックノーマン)

 アンドロイド(前述)の中でも、人工皮膚や擬似的な感情を持ち合わせるタイプの機体を指す大まかな分類名称。擬似生命型(前述)はこの名称の更に細かい区分。感情を持つ機体、人工皮膚を持つ機体を指すよりも、どちらかというと天恵の魔石を使用しているかしていないかで区分しているほうが大きい(アンドロイドの中には天恵の魔石を使用しない機械の状態のものも多く存在しているため)。

マルール

 見た目は牛、赤く輝く目と鮫のように鋭い犬歯の狂牛がマルールの特徴。マルールが通った後は草木一本残らないほどに食欲に飢え、決してその渇きが満たされる事はないといわれている。隕石(前述)が地上にもたらされて生まれた種族の中でも、とりわけ危険とされる雑食獣。戦う際は闘牛士のように赤いマントをひらめかせても肉体目がけて突撃してくる上、木の上に逃げても木を食い荒らしながら倒すほど。飛び道具の中でも銃が有効と言われている。


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